MTTRとは?えむてぃーてぃーあーる
MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間)は、装置が故障してから修理が終わって再び使えるようになるまでにかかる平均の時間。値が小さいほど直すのが速く、保守性(Serviceability)の指標になる。修理にかかった時間の合計を故障の回数で割って求める。稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)の分母に入るので、MTTR を縮めると稼働率が上がる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
どれほど壊れにくい装置でも故障はゼロにならないので、止まったあとどれだけ早く戻せるかが利用者にとっての損害を左右する。故障の起きにくさ(MTBF)とは別に、直す速さを時間で測っておけば、保守の体制や予備の部品の置き方を変えた効果を数字で比べられる。遠隔保守や自動の切替えは、主にこの値を縮めるための仕組みである。
具体例
Amazon Web Services(AWS)の EC2 には、仮想サーバが動いている物理的な機械に障害が起きたとき、別の機械へ移して自動で起動し直す自動復旧の機能がある。人が駆けつけて直すのを待たずに済むので MTTR が縮まるが、物理的な機械の故障の起きやすさ(MTBF)は変わらない。基本情報技術者試験の科目Aでは、遠隔保守で MTTR を1,000時間から毎年100時間ずつ縮め、6年後に400時間になる計算が出題された(MTBF 4,600時間と合わせて稼働率は 4,600 ÷ 5,000 = 0.92)。
試験での引っ掛け
MTTR を縮める対策は「早く直す」もの(遠隔保守、予備の部品や予備機の用意、障害対応の手順書、保守要員の待機)で、故障の回数そのものは減らない。予防保守や部品の品質向上は MTBF の側である。「改善」と書かれていても、MTTR では時間が減る方向、MTBF では時間が増える方向になる点を取り違えやすい(MTTR を10%改善すると 1,000時間 → 900時間)。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問15(IPA)
2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合,システム全体の稼働率は何…
正解:99.8
要点:並列の稼働率は1-(1-A1)(1-A2)。両方停止の確率を引く
稼働率は MTBF÷(MTBF+MTTR) で求める。1台目は480÷500=0.96、2台目は950÷1000=0.95である。並列でどちらか1台稼働すればよいので、システム全体の稼働率は「両方同時に停止する確率」を1から引き、1-(1-0.96)×(1-0.95)=1-0.04×0.05=0.998、すなわち99.8%となる。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問15(IPA)
システムの稼働率に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:MTBFを変えずにMTTRを短くできれば,システムの稼働率は向上する。
要点:稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)。長く動き短く直すほど高い
稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で表され、平均故障間隔が長いほど、また平均修理時間が短いほど高くなる。MTBFを保ったままMTTRを短縮すれば分母だけが小さくなるので稼働率は上がる。逆にMTBFやMTTRの一方だけが等しくても、もう一方が異なれば稼働率は一致しない。
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問15(IPA)
MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
正解:0.81
要点:稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)。直列は積、並列は1−(1−A)の積
1台の稼働率は MTBF ÷ (MTBF + MTTR) で求められ、45 ÷ (45 + 5) = 0.9 となる。直列接続のシステムは全ての装置が動いて初めて機能するので、稼働率は各装置の積となり、0.9 × 0.9 = 0.81 である。並列(どちらか動けばよい)なら 1 −(1−0.9)^2 = 0.99 になる点と混同しないこと。
出典:令和6年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問4(IPA)
あるシステムの今年度のMTBFは3,000時間、MTTRは1,000時間である。翌年度はMTBFについて今年度の20%分の改善、MTTRについて今年度の10%分…
正解:80
要点:稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)。MTTR改善は短縮
MTBFは20%改善で3,000×1.2=3,600時間、MTTRは10%改善で修理時間が短くなるため1,000×0.9=900時間になる。稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)なので、3,600÷(3,600+900)=3,600÷4,500=0.8となる。MTTRの改善は「短くする」方向である点を取り違えないことが要点である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。