分散処理とは?ぶんさんしょり
分散処理とは、1つの仕事を、ネットワークでつないだ複数のコンピュータに分けて受け持たせる処理の形態。1台の大きなコンピュータですべてを処理する集中処理と対になる。台数を増やして処理能力を上げやすく(スケールアウト)、1台が故障してもシステム全体が止まりにくいのが長所である。一方、機器が分かれる分だけ運用・保守やセキュリティの管理が複雑になり、障害の起きた場所を突き止めにくく、複数の場所にあるデータの整合性(食い違いがないこと)を保つための手間もかかる。役割ごとに処理を分ける垂直分散(クライアントサーバシステムなど)と、同じ役割の処理を複数台で分け合う水平分散がある。
最終更新:2026-10-10
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かつては1台の大型コンピュータ(メインフレーム)にすべての処理を集めるのが普通だったが、その1台が止まると全業務が止まり、処理が追いつかなくなれば丸ごと高価な機械に買い替えるしかなかった。安価なコンピュータとネットワークが普及すると、仕事を複数台に分けて受け持たせ、足りなければ台数を足せばよいという考え方が現実的になった。扱うデータが1台では収まらない量になったことも、分散処理を広げた。
具体例
オープンソースのソフトウェアであるApache Hadoopは、大量のデータを多数のサーバに分けて置き、MapReduceという枠組みで各サーバに同時に処理させてから結果をまとめる。ネット通販のサイトで、商品ページの表示(データを読むだけの処理)を何台ものWebサーバで手分けするのも水平分散の例で、アクセスが増えたらサーバを足して対応する。
試験での引っ掛け
複数台に分けると何でも速くなるわけではない。データを読むだけの処理(参照系)が多いシステムは台数を増やす効果が出やすいが、データの追加・更新が多いシステムは、台数が増えるほどサーバ間でデータを食い違わせないための処理(オーバヘッド:本来の仕事以外にかかる余分な負担)が増え、効果が出にくい。また、「分散処理は運用管理が容易になる」「障害の原因を特定しやすい」は誤りで、集中処理のほうが管理はしやすい。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問12(IPA)
システムの性能を向上させるために,スケールアウトが適しているシステムはどれか。
正解:参照系のトランザクションが多いので,複数のサーバで分散処理を行っているシステム
要点:スケールアウトが効くのは参照系など分散しやすい処理
スケールアウトはサーバの台数を増やして処理を分担させる方式なので、処理を独立した単位に分けられるシステムほど効果が出ます。参照中心のトランザクションは更新の競合が起きにくく、複製したサーバへ振り分けるだけで台数に応じて性能が伸びます。逆に更新や整合性維持が中心のシステムでは、台数を増やすほど同期のオーバヘッドが増えて頭打ちになります。
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問14(IPA)
稼働状況が継続的に監視されているシステムがある。稼働して数年後に新規業務をシステムに適用する場合に実施する,キャパシティプランニングの作業項目の順序として,適切…
正解:③,④,②,①
要点:現状把握→要件把握→構成案検討→評価の順で進める
キャパシティプランニングは、まず現状のハードウェア性能や稼働状況という事実を押さえ、次に新規業務の処理件数など将来の要件を聞き取る。その両方が揃って初めて必要な構成を検討でき、最後にその案を評価・見直しする流れになる。
出典:平成30年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問20(IPA)
多数のサーバで構成された大規模な分散ファイルシステム機能を提供し、MapReduceによる大規模データの分散処理を実現するOSSはどれか。
正解:Apache Hadoop
要点:HadoopはHDFSとMapReduceによる大規模分散処理のOSS基盤
大量データを多数のサーバに分散配置し、MapReduceという枠組みで並列に処理する基盤を提供するOSSがApache Hadoopである。分散ファイルシステムのHDFSとMapReduceの2つが中核で、いわゆるビッグデータ処理の代表的な基盤として位置づけられる。同じApache系でも、メッセージ配信やインメモリ処理など役割の異なる製品と混同しないようにしたい。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。