ローパスフィルタとは?ろーぱすふぃるた
ローパスフィルタとは、遮断周波数より低い成分を通し、高い成分を減衰させる回路またはディジタル処理。PWM出力に掛ければ高調波が落ちてデューティ比に比例した直流分が取り出せ、センサ入力に掛ければ高周波ノイズと折返し(エイリアシング)を防げる。1次RCなら遮断周波数は1÷(2πRC)で、遮断より上の減衰は−20dB/decとなる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
A/D変換は標本化周波数の半分を超える成分を、低い周波数の偽の信号として折り返してしまう(標本化定理)。いったん取り込んでしまえばソフトウェアでは除けないため、変換器の手前で物理的に落としておく必要がある。ノイズを断つ役目と、PWMから平均値を作る復調の役目を、同じ一つの回路が兼ねている点がこの語の扱いにくさでもある。
具体例
抵抗とコンデンサだけのRC回路が最も簡単な1次ローパスフィルタで、10kΩと0.1マイクロファラドなら遮断周波数は約159Hz。アナログ・デバイセズやテキサス・インスツルメンツのΔΣ型A/Dは、前段フィルタの要求を緩めるためオーバーサンプリングとディジタルフィルタを内蔵している。
試験での引っ掛け
遮断周波数はPWMのキャリアより十分低く、かつ信号帯域より十分高く置く必要があり、外すとリプルが残るか応答が鈍る。またフィルタは必ず位相遅れを伴う——制御ループの内側に入れると位相余裕を削って発振に近づく点まで書ければ答案が締まる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
PWM(パルス幅変調)で変調された信号をアナログ電圧として復調する回路はどれか。
正解:抵抗(in-out間)とコンデンサ(out-GND間)から成るRCローパスフィルタ回路
要点:PWMの復調はRCローパスフィルタで平均値を取り出す
PWM信号はデューティ比に平均電圧の情報が乗った矩形波なので、高い周波数のスイッチング成分を取り除いて直流に近い平均値だけを残せばアナログ電圧に戻せる。それを行うのが、直列の抵抗と接地側のコンデンサから成るローパスフィルタである。時定数はPWM周期より十分大きく、かつ応答が遅くなりすぎない範囲に選ぶ。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
PWM信号を用いて音声を出力するとき、次の図のaに該当するものはどれか。
正解:ローパスフィルタ
要点:PWM音声の復調はローパスフィルタで高域を除去する
PWM信号はデューティ比に音声波形の振幅情報を載せた高速な矩形波であり、そのままでは可聴帯域外の大きなスイッチング成分を含む。この高域成分を除去して平均値だけを取り出せば、もとのアナログ波形が復元される。したがって増幅器の前段に置くのはローパスフィルタで、遮断周波数は可聴帯域より上、PWM周波数より下に設定する。
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11(IPA)
PWM(パルス幅変調)で変調された信号をアナログ電圧として復調する回路はどれか。
正解:入力から抵抗を経て出力へ、出力からコンデンサを介して接地する回路(RCローパスフィルタ、直列抵抗+並列コンデンサ)
要点:PWMの復調は平均値を取り出すRC低域通過フィルタで行う
PWM信号はデューティ比に情報を載せた方形波なので、その平均値を取り出せば対応するアナログ電圧が得られる。直列抵抗と並列コンデンサからなるRC回路は低域通過フィルタとして働き、搬送周波数成分を減衰させて直流に近い平均電圧だけを通す。時定数はPWM周期に対して十分大きく、かつ信号の変化に追随できる値に選ぶ必要がある。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。