関数従属とは?かんすうじゅうぞく
関数従属とは、属性集合Aの値が決まれば属性集合Bの値がただ一つに定まるとき、BはAに関数従属するといい、A→Bと書く。Aを決定項(決定子)、Bを従属項と呼ぶ。正規化はこの矢印の集合だけを手掛かりに進める作業なので、どの表に分解するかは設計者の感覚ではなく従属関係から決まる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
1つの表に業務上の別々の事実をまとめて入れると、部門名を変えるのにその部門の社員行を全部書き換える、社員が1人もいない部門を登録できない、といった更新時異状が起きる。原因は「本来ひとまとまりで管理すべき事実」が表の中に混ざっていることだが、それを議論ではなく形式的に判定するために導入されたのが関数従属である。矢印として書き出せば、どこが分解点かを機械的に指し示せる。
具体例
関係モデルを提唱したエドガー・F・コッドが正規化の土台に据えた考え方で、受注明細表なら(受注番号, 商品コード)→数量、商品コード→商品名という2本の矢印が読み取れる。後者は主キーの一部だけから決まるので、この時点で商品表への切り出しが確定する。
試験での引っ掛け
いま入っているデータでたまたま一意なだけでは関数従属ではない。業務ルール上いつでも一意に定まることが条件で、「同姓同名がいない」ような偶然を根拠にすると分解を誤る。また矢印には向きがあり、商品コード→商品名が成り立っても商品名→商品コードが成り立つとは限らない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
関係R(A, B, C)において、関数従属A→B, B→Cが成立するとき、導けない関数従属はどれか。
正解:{B, C}→{A, C}
要点:推移律で導けるのは左辺に決定項Aを含む従属性だけ
A→B、B→Cが成り立つとき、推移律よりA→Cも成り立ち、Aは全属性を決定する。よって左辺にAを含む従属性は導ける。一方、左辺が{B,C}の場合、BからはCしか決まらずAを決定する根拠がないため、{B,C}→{A,C}は導けない。
出典:平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
関係R(A, B, C, D, E)において、関数従属{A, B}→C, {B, C}→D, D→{A, E}が成立する。これらから決定できるRの候補キーを全て…
正解:{A, B}, {B, C}, {B, D}
要点:候補キーは全属性を決定できる最小の属性集合すべて
候補キーは全属性を決定できる最小の属性集合である。{A,B}はAB→C、BC→D、D→A,Eの順に全属性を決定できる。{B,C}もBC→Dから、{B,D}もD→A,Eから残りを決定できるため、この三つがいずれも候補キーになる。
出典:平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(IPA)解説で登場
第2正規形であるが第3正規形でない表はどれか。ここで、講義名に対して担当教員は一意に決まり、所属コードに対して勤務地は一意に決まるものとする。また、{ }は繰返…
正解:社員番号[主キー], 氏名, 所属コード, 勤務地 の表(例:15547, 小林明, 75T, 東京)
要点:推移的関数従属が残る表は第2正規形止まりになる
第3正規形でないとは、非キー属性が主キーに推移的に関数従属している状態を指す。社員番号→所属コード→勤務地という連鎖があると、勤務地は主キーに推移的に従属するため第3正規形にならない。主キーが単一属性なので部分関数従属は起こり得ず、第2正規形は満たしている。
出典:平成30年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
関係Rは属性{A, B, C, D, E}から成り、関数従属 A→{B, C}、{C, D}→E が成立する。これらの関数従属から決定できるRの候補キーはどれか…
正解:{A, D}
要点:候補キーは全属性を導ける最小の属性集合
候補キーは全属性を決定できる最小の属性集合である。{A,D}から出発すると、A→{B,C}でBとCが決まり、さらに{C,D}→EでEも決まるので全属性を決定できる。Aを含まないとBが決まらず、Dを含まないとEが決まらないため、これ以上小さくもできない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。