推移的関数従属とは?すいいてきかんすうじゅうぞく
推移的関数従属とは、候補キーA→B、B→Cが成り立ち、Bが候補キーでもCがキー属性でもないときに、間接的にA→Cが導かれる従属関係。第3正規形に反する原因はこの連鎖にあり、中間のBとCを別の表へ切り出すことで解消する。連鎖を見つけるには、まず候補キーを確定させたうえで矢印をたどる必要がある。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
1つの表に事実を詰め込むと、キーから直接決まる事実と、そこから間接的に決まる事実が混在する。間接側の事実は同じ中間値を持つ行すべてに書き写されるので、1か所を直し忘れると表の中で値が食い違う。どこが間接なのかを言葉ではなく矢印の連鎖として定義したのが推移的関数従属で、これがあるかどうかが第3正規形の判定基準になる。
具体例
社員表で社員番号→部門コード、部門コード→部門名が成り立つとき、部門名は社員番号に推移的に従属している。部門名を変更すると同じ部門の社員行を全部更新する必要があり、これが第3正規形へ分解する動機になる。
試験での引っ掛け
推移的従属が残った表は第2正規形止まりで、第3正規形は満たさない。ただし候補キーどうしの従属(キー→キー)は定義上除かれるので、それが残っていても第3正規形にはなり得る。中間の属性がキー属性かどうかを確かめずに判定すると誤る。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(IPA)解説で登場
出典:平成30年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
第2正規形である関係Rが、第3正規形でもあるための条件として、適切なものはどれか。
正解:推移的関数従属性が存在しない。
要点:第3正規形の条件は推移的関数従属が存在しないこと
第3正規形は、第2正規形であることに加えて、非キー属性が候補キーに推移的に関数従属していないことを条件とする。すなわちキー→非キー属性X→非キー属性Yという連鎖がなければよい。部分関数従属の排除は第2正規形の条件である。
出典:平成31年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)解説で登場
第3正規形において存在する可能性のある関数従属はどれか。
正解:候補キーの真部分集合から他の候補キーの真部分集合への関数従属
要点:3NFが禁じるのは部分従属と推移的従属で、キー間の従属は残り得る
第3正規形が禁じているのは、候補キーの一部から非キー属性への部分関数従属と、非キー属性を経由する推移的関数従属である。候補キーの真部分集合どうしの関数従属は、右辺が非キー属性ではないためこれらに当たらず、第3正規形でも存在し得る(ボイス・コッド正規形では排除される)。
出典:令和2年度 10月試験 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
第2正規形であるが第3正規形でない表はどれか。ここで、講義名に対して担当教員は一意に決まり、所属コードに対して勤務地は一意に決まるものとする。また、{ }は繰返…
正解:表ウ:社員番号(主キー)、氏名、所属コード、勤務地。例:15547、小林明、75T、東京
要点:第3正規形でない=非キー属性への推移的関数従属が残る
第3正規形でないとは、非キー属性が主キーに推移的に関数従属している状態を指す。ウは主キーの社員番号が所属コードを決め、その所属コードが勤務地を決めるという二段構えの従属があり、推移的関数従属が残っているので第2正規形どまりである。他は繰返し項目があって非正規、あるいは推移的従属も部分的従属もない第3正規形になっている。
出典:令和3年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(IPA)解説で登場
関係R(A,B,C)の候補キーが{A,B}と{A,C}であり、{A,B}→C及びC→Bの関数従属性があるとき、関係Rはどこまでの正規形の条件を満足しているか。
正解:第3正規形
要点:全属性がキー属性なら第3正規形。非キーの決定子でBCNF不成立
候補キーが{A,B}と{A,C}なので、A・B・Cはいずれも候補キーに含まれるキー属性であり、非キー属性が存在しない。非キー属性がなければ部分関数従属も推移的関数従属も生じ得ないため、第2正規形・第3正規形は自動的に満たす。しかしC→Bという従属のCは候補キーでもスーパーキーでもないので、すべての決定子が候補キーであることを求めるボイス・コッド正規形は満たさない。よって第3正規形まで。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。