正規化とは?せいきか
正規化とは、関係に成り立つ関数従属を手掛かりに表を分解し、冗長と更新時異状(更新・挿入・削除の異状)を取り除く論理設計の手法。第1正規形から段階を上げ、実務では第3正規形までを標準とする。試験では、無損失分解と関数従属性の保存を保ったまま目的の正規形へ分解できるか、その手順と結果が問われる。
最終更新:2026-10-06
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1枚の大きな表にすべてを詰め込むと、同じ事実が何行にも書き写され、1か所だけ直したときに表の中で値が食い違う。さらに「まだ受注のない商品を登録できない」「最後の受注を消すと商品情報まで消える」といった、業務ルールと関係のない制約が設計側の都合で生まれる。これらの異状を設計者の感覚ではなく関数従属という形式から機械的に取り除く手続きとして正規化が定義された。
具体例
受注表に「受注番号→顧客名」と「(受注番号, 商品番号)→数量」が併存するとき、受注ヘッダと受注明細に分解すると顧客名の重複が消え、顧客名の修正は1行で済む。分解後も受注番号で結合すれば元の情報を復元でき、情報は失われない。
試験での引っ掛け
正規形は高いほど良いとは限らない。結合が増えて応答時間が伸びる場合は、更新頻度と参照頻度を比べたうえで非正規化を選ぶのが物理設計の判断である。また正規化は関数従属の集合に対して行うもので、いま入っているデータを見て決めるものではない。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
第1正規形から第5正規形までの正規化に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:第3正規形までは、情報無損失でかつ関数従属性保存の分解ができる。
要点:第3正規形までは無損失かつ従属性保存の分解が可能
第3正規形までは、情報無損失(結合しても元に戻る)と関数従属性の保存を両立する分解が必ず存在することが知られている。一方でボイス・コッド正規形以降になると、無損失分解はできても関数従属性の保存が犠牲になる場合がある。
出典:平成31年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問7(IPA)
第1正規形から第5正規形までの正規化に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:第3正規形への分解では、情報無損失かつ関数従属性が保存される。
要点:第3正規形までは無損失かつ関数従属性保存の分解ができる
第3正規形までは、分解しても結合により元に戻せる(情報無損失)うえ、元の関数従属性も保存される分解が必ず存在する。ボイス・コッド正規形以降になると、無損失分解はできても関数従属性の保存が犠牲になる場合がある点が対比される。
出典:令和3年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
第1正規形から第5正規形までの正規化に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:第3正規形への分解では、情報無損失かつ関数従属性が保存される。
要点:第3正規形までは無損失かつ関数従属性を保存して分解できる
第3正規形までであれば、情報を失わずに元へ復元できる(情報無損失)分解で、かつ元の関数従属性をすべて分解後の関係に保存する分解が常に可能である。一方、ボイス・コッド正規形より先へ進める分解では、無損失は保てても関数従属性の保存が犠牲になる場合がある。よってウが適切。
出典:令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
次の表を、第3正規形まで正規化を行った場合、少なくとも幾つの表に分割されるか。ここで、顧客の1回の注文に対して1枚の受注伝票が作られ、顧客は1回の注文で一つ以上…
正解:4
要点:部分従属と推移的従属を分離すると受注は4表に分かれる
この表には、受注番号で決まる顧客と受注日、顧客コードで決まる顧客名、商品コードで決まる商品名と単価、そして受注番号と商品コードの組で決まる受注数、という4種類の従属がある。部分従属と推移的従属を解消すると、受注・受注明細・顧客・商品の4つの表に分かれる。なお受注金額は単価と受注数から計算できる導出項目である。
出典:令和7年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
次の表に対して、第3正規形まで正規化を行った場合、少なくとも幾つの表に分割されるか。ここで、顧客の1回の注文に対して一つの受注番号が割り当てられ、顧客は1回の注…
正解:4
まず受注番号と商品コードの複合キーに対し、顧客や受注日は受注番号だけで定まる部分関数従属なので、受注の見出し部分と明細部分に分ける。次に商品名と単価は商品コードに、顧客名は顧客コードに従属する推移的関数従属なので、それぞれ独立した表に切り出す。受注金額は単価と受注数から計算できる導出項目である。結果として受注・受注明細・商品・顧客の4つの表になる。
出典・参考
公式シラバスの3 データベースの分析・設計 > 3-1 概念データモデルの作成に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。