インスペクションとは?いんすぺくしょん
インスペクションとは、モデレータが進行役を務め、事前配布・役割分担・記録・是正確認までを手順として定めて実施する公式なレビュー。論点を絞って多角的に欠陥を検出し、記録に残すことを目的とする。定型の記録が残るため、レビュー統制が働いた証拠として後から追跡できる。モデレータは作成者が兼ねない。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
レビューを会議の場の口頭指摘に委ねていた運用では、誰が何を指摘し、どこまで直したのかが後から分からず、品質は担当者の力量任せになる。役割と手順を定め記録を義務づけることで、レビューが個人の技能ではなく組織の統制として成立する。監査で実施の有無を確かめられるのはこの記録があるからである。会議体の名称ではなく、記録の実在が統制の成否を分ける。
具体例
IEEE 1028はソフトウェアレビューの標準として、モデレータ・作成者・レビューア・記録係という役割を定めている。監査人は設計書のインスペクション記録票を抽出し、指摘件数・是正日・再確認者が埋まっているか、未是正のまま次工程へ進んだ案件が無いかを一件ずつ確かめる。
試験での引っ掛け
持ち回りで意見を集めるのはラウンドロビン、作成者自身が説明しながら進めるのはウォークスルーで、モデレータが進行し合否の判定基準を持つ公式な会議だけがインスペクションである。会議の名称がインスペクションでも、役割分担も記録も無ければ実態はウォークスルーとして評価する。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問22(IPA)
デザインレビュー方法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:インスペクションでは,絞られた問題事項に関して様々な角度からの分析を行うことができるので,対策を引き出しやすい。
要点:インスペクションは公式手続で絞った論点を多角的に検討する
インスペクションは、モデレータが進行役となり、あらかじめ絞り込んだ観点や問題事項について参加者が公式な手続で検討するレビュー技法である。焦点を定めて多角的に分析するため、欠陥の指摘だけでなく対策の検討にもつなげやすい。ウォークスルーは作成者自身が説明する非公式なレビューで、進行役が代わりに説明するものではない。
出典:令和5年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問23(IPA)
a〜cの説明に対応するレビューの名称として、適切な組合せはどれか。 a 参加者全員が持ち回りでレビュー責任者を務めながらレビューを行うので、参加者全員の参画意欲…
正解:a:ラウンドロビン、b:ウォークスルー、c:インスペクション
要点:持ち回り=ラウンドロビン、公式評価=インスペクション
ラウンドロビンは参加者が持ち回りで責任者を務める形式で、全員の参加意識が高まる。ウォークスルーは作成者自身が説明役となり、参加者の質問やコメントで問題点を洗い出す非公式な形式。インスペクションは資料を事前配布し、モデレーターや読み上げ役といった役割を定めて厳密に実施する公式な形式で、結果を分析して対象物を正式に評価する。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの4 開発技術 > 2. 設計 > (15) レビューに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。