内部統制とは?ないぶとうせい
内部統制とは、業務が法令や社内規程どおりに行われるよう、組織自身が日々の業務手順の中へ組み込む統制の仕組み。業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全の4つを目的とし、整備と運用の責任は経営者が負う。特定の部署の担当業務ではなく、全社員が担い手になる。
最終更新:2026-10-06
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不正や誤りは、悪意ある人が突然起こすというより、一人で最初から最後まで完結できてしまう業務の作りから生まれる。事後に見つけて叱る方式では、見つかった時点で金額も信用も失われている。そこで、承認を分ける・記録を残す・突き合わせるといった歯止めを業務そのものに埋め込み、間違いが起きにくく、起きても早く分かる状態を作る考え方が定着した。情報セキュリティの管理策も構造は同じで、規程と現場の運用が噛み合っているかを説明できることが求められる。
具体例
日本では金融商品取引法に基づく内部統制報告制度(J-SOX)により、上場企業が財務報告に係る内部統制の有効性を自ら評価して報告書を提出する。評価の枠組みは金融庁の実施基準が示しており、職務分掌などの設計と、それが実際に運用されている記録の両方が対象になる。
試験での引っ掛け
内部統制は業務に埋め込む仕組みそのもので、それが有効に働いているかを独立の立場で確かめるのが監査。作る側と点検する側は別、が第一の分岐点になる。もう一つ、内部統制には限界があり、担当者どうしの共謀、経営者による無効化、想定していなかった事態までは防ぎきれない。「内部統制があれば不正は起きない」と言い切る選択肢は誤り。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問36(IPA)
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(平成23年)”におけるITの統制目標の一つである“信頼性”はどれか。
正解:情報が,組織の意思・意図に沿って承認され,漏れなく正確に記録・処理されること
要点:信頼性は承認どおり漏れなく正確に記録・処理されること
財務報告に係る内部統制の実施基準では、ITの統制目標として準拠性・機密性・完全性(信頼性)・可用性・有効性などが挙げられる。このうち信頼性は、情報が組織の意思・意図に沿って承認され、漏れなく正確に記録・処理されている状態を指す。法令や社内規則への合致は準拠性、権限のない者から保護されることは機密性、必要なときに使えることは可用性であり、混同しやすい。
出典:令和元年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問38(IPA)
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(平成23年)”に基づいて、内部統制の基本的要素を、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタ…
正解:発注業務と検収業務をそれぞれ別の者に担当させること
要点:職務分掌による相互牽制は統制活動の代表例
統制活動とは、経営者の指示が適切に実行されるようにするための方針と手続であり、業務の中に組み込まれる具体的な統制を指す。発注と検収を別の担当者に分ける職務分掌は、不正や誤りを相互に牽制する代表的な統制活動である。
出典:令和4年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問37(IPA)
我が国の証券取引所に上場している企業において、内部統制の整備及び運用に最終的な責任を負っている者は誰か。
正解:経営者
要点:内部統制の整備・運用の最終責任は経営者にある
金融商品取引法に基づく内部統制報告制度では、内部統制を整備し運用する最終的な責任は経営者にあるとされている。経営者は内部統制の有効性を自ら評価して報告書を作成し、監査人がその報告に対して監査を行う構造になっている。監査役は監視する立場、株主は経営を委託する立場であり、整備・運用の責任者ではない。
出典:令和6年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問8(IPA)
内部統制の基本的要素の一つである“統制活動”に該当するものはどれか。
正解:受注から出荷に至る業務プロセスに組み込まれた処理結果の検証
要点:統制活動は業務に組み込まれた承認・照合などの手続
統制活動とは、経営者の指示が確実に実行されるように、業務の中に組み込まれる方針と手続のことです。承認や照合、職務の分離、処理結果の検証といった日常業務に埋め込まれた仕組みが該当します。基本的要素にはほかに統制環境、リスクの評価と対応、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応があります。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 2 内部統制に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。