集団思考とは?しゅうだんしこう
集団思考とは、結束の強い集団が、和を保つことを優先するあまり批判的な検討を欠き、不合理な結論に至ってしまう現象。集団浅慮とも訳される。異論が出にくくなることで代替案の検討が不十分になり、リスクの過小評価や自集団の判断への過信が生じる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
組織で意思決定の質を保つ仕組みは、たいてい「多くの目で確かめる」ことを前提に組まれている。ところが結束の強さはその前提を裏切る方向にも働く。反対意見を述べることが集団への裏切りとして受け取られる場面では、参加人数が増えても検討は深まらない。だから監査では、会議体が形式として存在することではなく、異論が記録に残る仕組みがあるかを確かめる。
具体例
経営会議の議事録に反対意見も代替案の検討も残らないまま、大型のシステム投資が原案どおり決裁されている状態がこれにあたる。監査人は、意思決定機関に社外取締役や独立した委員が加わっているか、議事録に検討過程が記録されているかを牽制の証拠として見る。
試験での引っ掛け
集団極性化(リスキーシフト・コーシャスシフト)と混同しやすい。集団思考は和を優先して批判的検討が失われる現象、集団極性化は討議によって結論が個々の当初意見より極端な方向へ振れる現象である。結束が強い集団ほど起きやすい点も、逆に覚えない。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問14(IPA)
技術者倫理における集団思考の問題点として,アーヴィング・ジャニスが指摘した八つの兆候のうち,"心の警備"の説明として,適切なものはどれか。
正解:集団に新しく加わったメンバなどが異議を唱える場合には,それを阻止して,集団を保護しようとする。
要点:心の警備は異論や不都合な情報を集団に届かせない働き
集団思考の兆候のうち心の警備、いわゆるマインドガードは、集団の合意を揺るがす情報や異論が集団に届かないよう、特定のメンバが門番のように遮る現象を指す。外部からの警告や新規メンバの異議を封じることで、集団は自らの判断が正しいという幻想を保ってしまう。他の選択肢は無謬性の幻想、全員一致の幻想、同調圧力の説明である。
出典:令和2年度 10月試験 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
技術者倫理における集団思考の問題点として、アーヴィング・ジャニスが指摘した八つの兆候のうち、“心の警備”の説明として、適切なものはどれか。
正解:集団に新しく加わったメンバなどが異議を唱える場合には、それを阻止して、集団を保護しようとする。
要点:心の警備は不都合な情報や異論を遮断して集団を守る兆候
集団思考(グループシンク)を論じたジャニスは、その兆候の一つに「心の警備(マインドガード)」を挙げた。これは一部のメンバが、集団の合意を揺るがす情報や異論を他のメンバに届かないよう遮断し、都合の悪い事実から集団を守ろうとする振る舞いを指す。似た兆候である無謬性の幻想、斉一性の圧力、沈黙を同意とみなす見かけ上の全員一致との区別が問われている。
出典:令和7年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
技術者倫理の遵守を妨げる要因の一つとして、集団思考というものがある。集団思考の説明として、適切なものはどれか。
正解:強い連帯性をもつチームが自らへの批判的思考を欠いて、不合理な合意へと達すること
要点:集団思考は結束の強い集団が批判を欠き不合理な合意に至る現象
集団思考(groupthink)は、結束の強い集団において、和を乱すまいとする力が働いた結果、批判的な検討が行われないまま不合理な結論へ全員が同調してしまう現象である。反対意見が言い出しにくい、疑問を抱いても自分だけだと思い込む、といった心理が重なることで起きる。技術者倫理の文脈では、内部の異論が封じられて不正や安全軽視が見過ごされる原因として挙げられ、他の阻害要因である権威への服従や意志の弱さとは、集団の力学が働く点で区別される。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。