統計的サンプリングとは?とうけいてきさんぷりんぐ
統計的サンプリングとは、母集団から無作為に標本を抽出し、確率論に基づいて母集団全体の状況を推定するサンプリング。抽出が無作為であることと、結果を確率で評価できることの二要件を満たす。許容逸脱率・予想逸脱率・信頼度から必要な標本件数を事前に算定でき、結論に伴うリスクの水準を数値で説明できる点が本質である。
最終更新:2026-10-06
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監査は全件を確かめるのが理想だが、取引が万単位に及ぶ情報システムでそれは現実的でない。一方で監査人が「重要そうな伝票を選んだ」だけでは、なぜその結論が母集団に及ぶのかを被監査部門や経営者へ説明できない。抽出を確率の枠組みに乗せることで、標本の結果から母集団を推定する根拠と、外れる可能性の大きさを数値で示せるようになる。シラバスでも監査手続の設計に統計及びサンプリングの知識・技能が求められている。
具体例
信頼度95%・許容逸脱率5%・予想逸脱率1%という条件から必要件数を算定し、Microsoft Excelの乱数関数で抽出番号を決めて対象伝票を選ぶ。算定の前提と抽出手順は監査調書に残し、後から査閲者が同じ手順を再現できるようにする。
試験での引っ掛け
「経験を積んだ監査人が重要そうな項目を選ぶ」のは非統計的サンプリングであり、有意抽出をどれだけ丁寧に行っても統計的サンプリングにはならない。分岐点は抽出が無作為かどうかと、結果を確率で評価できるかどうかの二点であって、標本件数の多さではない。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8(IPA)
システム監査で利用する統計的サンプリング法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:サンプルの抽出に無作為抽出法を用い,サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に,確率論の考え方を用いる。
要点:統計的サンプリングは無作為抽出と確率論に基づく母集団推定が要件
統計的サンプリングは、無作為抽出によって母集団の各要素が抽出される確率を既知にし、標本の評価結果から母集団の状態を確率論的に推定する方法である。抽出と評価の両方が確率論に基づくことが要件であり、監査人の経験的判断で標本を選ぶ場合は非統計的サンプリングになる。標本数の多寡は両者を分ける基準にはならない。
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
要点:統計的サンプリングでは必要な標本件数を事前に算定できる
統計的サンプリングは確率論に基づくため、許容できる逸脱率や信頼度、予想逸脱率を設定すれば、必要な標本件数を事前に算出できる。ただし標本による推定である以上、母集団を全件調べた場合と同じ結果が常に得られるわけではなく、サンプリングリスクが残る。重要案件やエラー処理済データだけを選ぶ方法は無作為性を欠き、統計的サンプリングには当たらない。
出典:令和2年度 10月試験 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
要点:統計的サンプリングは必要な標本件数を事前に算定できる点が本質
統計的サンプリングは、母集団から確率論に基づいて標本を抽出し、その結果を母集団全体へ推定する手法である。信頼度・許容逸脱率・想定逸脱率といったパラメータを設定すれば、必要なサンプル件数を統計的に算出でき、監査に着手する前に件数を決められる点が特徴となる。一方で標本にすぎない以上、母集団全件を調べた場合と結論が完全に一致する保証はなく、サンプリングリスクが常に残る。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの6 サービスマネジメント > 1. システム監査 > (5) システム監査の実施(予備調査,本調査,評価,結論)に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。