磁気テープとLTOとは?じきてーぷとえるてぃーおー
磁気テープは磁性体を塗ったテープへ先頭から順に記録していく補助記憶で、LTO(Linear Tape-Open)はその業界標準規格。容量あたりの単価が安く、書き終えたカートリッジは機器から抜いて棚で保管できる。読み出しに巻き送りが要るため遅いが、長期保存とオフライン保管の用途では現役である。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
バックアップをネットワーク上のディスクだけに置いていると、そのネットワークへ侵入された時点で複製ごと暗号化・削除される。ランサムウェアの被害でバックアップまで使えなくなる例が続いたことで、「攻撃者の手が物理的に届かない複製を持つ」ことが対策として重く見られるようになった。棚から抜いて別の建物へ運べる媒体は、この要件を単純な方法で満たす。複製を3つ・媒体を2種類・うち1つは別の場所、という3-2-1ルールの形で語られる考え方である。
具体例
富士フイルムなどが供給するLTOのカートリッジには、一度書いたら書き換えられないWORM対応の製品があり、改ざんを許さない記録の保存に使われる。日次のバックアップをテープへ取り、遠隔地の倉庫へ運んで保管する運用は、ネットワークから完全に切り離せる点が強みになる。
試験での引っ掛け
順次アクセスが前提なので、稼働中のデータベースの置き場所のように任意の位置へすぐ読み書きしたい用途には向かない。安いからどこにでも使える、と考えると誤る。また持ち出せることは長所であると同時にリスクでもあり、輸送中の紛失・盗難に備えて暗号化と受渡し記録が要る。保管しているだけでは戻せるか分からないため、定期的なリストア試験まで含めて運用とする。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問43(IPA)
メールサーバのディスクに障害が発生して多数の電子メールが消失した。消失した電子メールの復旧を試みたが、2週間ごとに行っている磁気テープへのフルバックアップしかな…
正解:2週間ごとの磁気テープへのフルバックアップに加え、毎日、磁気テープへの差分バックアップを行う。
要点:前日まで戻すには日次の差分バックアップが必要
前日の状態まで復旧できるようにするには、日次でバックアップを取得し、それを障害の影響を受けない媒体に保存しておく必要がある。2週間ごとのフルバックアップに毎日の差分バックアップを組み合わせれば、最後のフルバックアップと前日分の差分から前日の状態を復元できる。ミラーリングや分散配置は可用性を高めるが、誤削除や論理障害には無力で、バックアップの代わりにはならない。
出典:令和4年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問54(IPA)
A社は旅行商品を販売しており、業務の中で顧客情報を取り扱っている。A社が保有する顧客情報は、A社のファイルサーバ1台に保存されている。ファイルサーバは、顧客情報…
正解:週1回バックアップを取得する代わりに、毎日1回バックアップを取得して7世代分保存する。
要点:バックアップ間隔を短くすれば失われる期間が縮まる
問題としているのは、ランサムウェアで最新データが失われた際の損失が最大1週間分に及ぶ点である。取得間隔を毎日にして7世代分保存すれば、失われる更新情報は最大1日分に縮まり、復旧時点を選べる余地も広がる。整合性確認や装置の高速化、媒体の変更は取得間隔を変えないため、失われる期間は短縮されない。
出典:令和5年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問14(IPA)
A社は旅行商品を販売しており,業務の中で顧客情報を取り扱っている。A社が保有する顧客情報は,A社のファイルサーバ1台に保存されている。ファイルサーバは,顧客情報…
正解:(二),(三)
要点:設定ミスのリスクには照合による検出と複数名での確認が効く
ここで低減したいのは、バックアップ対象フォルダの設定を誤ったまま気付かず、いざというときに復旧できないというリスクです。したがって、設定ミスそのものを起こりにくくする対策と、ミスが起きても事後に気付ける対策が効きます。バックアップ後に取得済みファイルの一覧と対象ファイルの一覧を突き合わせれば漏れを検出でき、設定作業を2名で行えばミス自体を減らせます。頻度や世代数、媒体の種類、保管場所を変えても、設定を誤っているという原因は解消されません。
出典:令和8年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問14(IPA)
A社は従業員200名の電子機器メーカーである。東京に本社があり、新潟に工場がある。A社では、ファイルサーバを次のように運用している。 ・ファイルサーバは本社と工…
正解:a1=火曜日の正午、a2=4.50、a3=CISO
要点:RPOは遡れる時点、復旧時間はフルと増分の合計で見積もる
RPOは、障害時にどこまで過去のデータであれば許容できるかを示す指標です。RPOが72時間なので、金曜日の正午に障害が起きた場合は少なくとも72時間前の火曜日正午時点のデータまで復元できればよいことになります。木曜日正午の障害では、土曜のフルバックアップに火曜と木曜の増分2回を適用するので、4+0.25×2=4.50時間掛かります。またICT継続の計画書は、情報セキュリティを統括する立場であるCISOが承認します。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。