内部不正とは?ないぶふせい
内部不正とは、従業員・元従業員・委託先の要員など、正規のアクセス権限を与えられた者がその権限を悪用して、情報を持ち出す、改ざんする、破壊するといった行為。正規の操作として記録されるため検知が難しく、重要情報に直接届く立場にあることから被害が大きくなりやすい。動機・機会・正当化がそろうと起きるとする不正のトライアングルの考え方とあわせて問われる。
最終更新:2026-10-06
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境界を守る対策は、外から来る攻撃者を前提に組み立てられている。しかし内部の者はすでに境界の内側におり、業務として情報に触れることが許されている。不満や処遇への不服といった動機に、権限が広すぎる、記録が残らないといった機会が重なると、本人の中で行為が正当化されて実行に至る。外部対策では手が届かないこの経路を扱うために、内部不正という枠組みが立てられている。
具体例
IPAが公表する「組織における内部不正防止ガイドライン」は、権限の最小化、操作記録の取得と本人への周知、退職時の手続、職場環境の整備といった観点で対策を整理している。退職予定者のアクセス権を退職日より前に業務範囲へ絞る運用は、動機と機会が重なる期間を短くする代表的な手当てにあたる。
試験での引っ掛け
ファイアウォールなど外部からの攻撃を止める対策では防げない。効くのはアクセス権の最小化、操作ログの取得と「記録している」ことの周知、持出し手段の制限といった内部統制側の管理策である。また内部不正は悪意ある行為を指し、うっかりの誤送信や設定ミスは過失であって内部不正には含まれない。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問11(IPA)
システム管理者に対する施策のうち、IPA“組織における内部不正防止ガイドライン”に照らして、内部不正防止の観点から適切なものはどれか。
正解:夜間・休日のシステム管理者の単独作業を制限する。
要点:特権者の単独作業を避け、相互牽制を働かせる
システム管理者は強い権限をもつため、不正が起きても本人以外に気づかれにくいという構造的な問題がある。夜間や休日の単独作業を制限すれば、必ず第三者の目がある状態で作業が行われ、相互牽制が働く。IPAの内部不正防止ガイドラインでも、単独作業の禁止や作業の複数人化、休暇取得による業務の可視化といった牽制策が示されている。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問7(IPA)
IPA“組織における内部不正防止ガイドライン”にも記載されている、組織の適切な情報セキュリティ対策はどれか。
正解:インターネット上のWebサイトへのアクセスに関しては、コンテンツフィルタ(URLフィルタ)を導入して、SNS、オンラインストレージ、掲示板などへのアクセスを制限する。
要点:内部不正対策では情報の持出し経路をフィルタで制限する
内部不正防止の観点では、業務に不要なWebサービスへのアクセスを技術的に制限し、情報の持ち出し経路をふさぐことが有効である。オンラインストレージやSNS、掲示板は組織外へ情報を送り出す経路になり得るため、URLフィルタで統制する。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問10(IPA)
利用者アクセスログの取扱いのうち、IPA“組織における内部不正防止ガイドライン”にも記載されており、内部不正の早期発見及び事後対策の観点で適切なものはどれか。
正解:ログを定期的に確認する。
要点:アクセスログは定期的に確認してこそ不正の早期発見に効く
ログは取得するだけでは意味がなく、定期的に点検して初めて不審な操作の早期発見につながる。また「ログを見られている」と従業員が認識すること自体が、不正の機会や正当化を減らす抑止効果を生む。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問15(IPA)
システム管理者による内部不正を防止する対策として、適切なものはどれか。
正解:システム管理者の作業を本人以外の者に監視させる。
要点:管理者の不正防止には第三者による監視で相互牽制を効かせる
システム管理者は強力な権限をもつため、本人の自制だけに頼ると不正を防げない。作業を第三者が監視する、あるいは作業ログを本人以外がチェックするという相互牽制の仕組みを入れることが有効な統制になる。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問14(IPA)
内部不正による重要なデータの漏えいの可能性を早期に発見するために有効な対策はどれか。
正解:アクセスログの定期的な確認と解析
要点:内部不正の早期発見にはアクセスログの定期的な点検
内部不正では、正規の権限をもつ者が正当な手段でデータへアクセスするため、マルウェア対策や暗号化では検知できない。誰がいつ何にアクセスしたかを記録したログを定期的に確認・解析することで、普段と異なる大量ダウンロードや時間外アクセスといった異常な振る舞いを早期に見つけられる。
出典・参考
公式シラバスの1 技術要素 > 1 情報セキュリティ > 脅威に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。