内部統制とは?ないぶとうせい
内部統制とは、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令の遵守、資産の保全といった目的を達成するために、組織自身が構築し運用する体制・仕組み。構築と運用の責任は経営者にある。実現には、業務プロセスの明確化、職務分掌(1人に権限を集中させない)、実施ルールの設定、チェック体制の確立が必要とされ、上場企業には内部統制報告制度として法的な義務もある。会社法は、大会社である取締役会設置会社などに対し、業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の整備について取締役会で決定することを求めており、これを内部統制システムの整備義務という。
最終更新:2026-10-10
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組織が大きくなると、経営者が一つひとつの取引を自分で確認することはできなくなる。担当者を信じるほかない状態は、不正が起きても誰も止められないだけでなく、真面目な担当者を常に疑いの目にさらすことにもなる。そこで、人の善意ではなく仕組みで防ぐ——申請する人と承認する人を分け、記録を残し、定期的に突き合わせる——という考え方が制度として整えられた。
具体例
経費精算で申請者と承認者を必ず別の人にし、一定金額を超えるものは部長承認を要する運用が職務分掌の例である。発注・検収・支払を1人の担当者だけで完結できないようにする仕組みも、内部統制の基本形として社内規程に定められる。
試験での引っ掛け
仕組みを作って回すのは経営者(組織自身)、それが有効に機能しているかを独立した立場から検証・評価するのがシステム監査——この主体の違いが問われる。監査人が内部統制そのものを作ってしまうと独立性を失う。また内部統制はITシステムに限った話ではなく、業務全般の仕組みを指す。会社法の内部統制システムの整備義務は業務全般の適正を対象とするのに対し、上場企業に財務報告に係る内部統制の評価と監査を求めるのは金融商品取引法(J-SOX)であり、根拠法と対象範囲が異なる。
関連用語
出た過去問
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問49(IPA)
内部統制に関する記述として、適切なものはどれか。
正解:内部統制は、経営者が組織目的の達成について合理的な保証を得るためのマネジメントプロセスである。
要点:内部統制は組織目的の達成に合理的保証を与える経営者の仕組み
内部統制は、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全といった目的の達成について、合理的な保証を得るために組織へ組み込まれる仕組みであり、その整備と運用の責任は経営者にある。絶対的な保証ではなく「合理的な保証」である点が定義の要点である。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問38(IPA)
ある企業では、業務を遂行する上で違法行為や不正、ミスやエラーなどを防止し、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるように基準や業務手続を定め、管理・監視を行うこと…
正解:内部統制
要点:内部統制は不正・ミスを防ぐ組織的な仕組み
内部統制とは、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、法令の遵守、資産の保全を達成するために、組織自らが基準や手続を定めて運用・監視する仕組みである。不正やミスを未然に防ぎ、起きた場合には早期に発見できるようにすることが目的になる。職務分掌やチェック体制の整備が具体的な手段になる。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問45(IPA)
基本方針に基づいて内部統制を整備及び運用する役割と最終責任を有する者はだれか。
正解:経営者
要点:内部統制を整備・運用する最終責任は経営者にある
内部統制は組織の運営そのものに関わる仕組みであり、基本方針を定めて整備・運用し、その有効性に最終的な責任を負うのは経営者である。監査役や内部監査人は、その仕組みが有効に機能しているかを監視・評価する立場にあり、整備の責任主体ではない。株主は経営者を選任・監督する立場である。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問36(IPA)
内部統制に関する記述a〜cのうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。 a 経営者は内部統制の整備と運用の責任をもっている。 b 内部統制の運用については,…
正解:a, b
要点:内部統制は経営者が責任を負い費用対効果も考慮する
内部統制の整備・運用に最終的な責任を負うのは経営者であり、実際の運用は組織の全員がそれぞれの業務の中で役割を担うことで成り立つ。一方、内部統制は無制限に強化すべきものではなく、得られる効果と要するコストを比較して合理的な範囲で構築するもの(費用対効果の考慮)とされる。したがって適切なのはaとbである。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 32. 内部統制に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。