金融商品取引法とは?きんゆうしょうひんとりひきほう
金融商品取引法は、株式などの取引の公正さを保ち投資家を守るための法律である。その中のインサイダー取引規制は、会社の重要事実を仕事を通じて知った人が、その事実が公表される前にその会社の株式を売買することを禁じる。上場企業に財務報告に係る内部統制の評価と報告を義務づけているのも、この法律である。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
内部の人だけが決算や合併の話を先に知って売り抜けられる市場では、一般の投資家は必ず負ける側に置かれる。それが分かれば誰も株を買わなくなり、会社は資金を集められなくなる。つまりこの規制は、内部の人を罰することが目的なのではなく、市場そのものを成り立たせるための土台である。同じ理由から、財務諸表が正しく作られる社内の仕組みまで法律で求めるようになった。
具体例
システムの入替え作業をしていた総務の社員が、翌週発表予定の資本提携の資料をサーバ上で見てしまったとする。会社側は、案件をコード名で扱う、資料の閲覧権限を関係者だけに絞る、関係者リストを作って公表まで自社株の売買を禁じる、といった運用をとる。違反は証券取引等監視委員会の調査対象になる。
試験での引っ掛け
会社法との役割分担が出題点である。取締役の職務のコンプライアンス確保の体制整備を求めるのは会社法、上場企業に財務報告の内部統制報告を求めるのが金融商品取引法である。内部統制の整備を求める法律を選ぶ問題では、この2つが正解で、労働者派遣法のような別の法律は含まれない。また、犯罪で得たお金の出どころを隠す資金洗浄を防ぐ対策(AML:Anti-Money Laundering)を、インサイダー取引規制と入れ替えた選択肢も出る。自分で売買しなくても、家族や知人に伝えて売買させれば規制の対象になる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問21(IPA)解説で登場
一定の条件に該当する会社に対して、取締役の職務に関するコンプライアンスを確保するための体制整備を義務付けている法令はどれか。
正解:会社法
要点:取締役の職務に関する内部統制の整備義務は会社法が定める
会社法は、一定規模以上の株式会社などに対し、取締役の職務執行が法令や定款に適合することを確保する体制、いわゆる内部統制システムの整備について取締役会で決議することを求めている。コンプライアンス確保の体制整備を義務付ける根拠がここにある。金融商品取引法は財務報告に関する内部統制の開示を扱い、公益通報者保護法は通報者の保護、民法は私人間の一般的な権利義務を定める法律である。
出典:平成30年度 春期 ITパスポート試験 問26(IPA)
法律a〜cのうち,内部統制の整備を要請しているものだけを全て挙げたものはどれか。 a 会社法 b 金融商品取引法 c 労働者派遣法
正解:a, b
要点:内部統制を求めるのは会社法と金融商品取引法
内部統制の整備を求める代表的な法律は、会社法と金融商品取引法である。会社法は大会社などに対し業務の適正を確保する体制の整備を取締役会等で決議することを求め、金融商品取引法は上場企業に財務報告に係る内部統制の評価と報告(いわゆる内部統制報告制度)を義務付けている。労働者派遣法は派遣労働に関する規律を定めた法律であり、内部統制の整備を要請するものではない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。