コンプライアンスとは?こんぷらいあんす
コンプライアンスとは、企業が法令だけでなく、社内規則や社会から期待される振る舞いまで守って活動すること。法令遵守と訳されることが多いが、実際に問われる範囲はもっと広く、「法律に触れていないから問題ない」で済まない判断が対象になる。会社は行動規範を文書にし、社員研修と、おかしいと思ったことを匿名でも相談できる内部通報の窓口を用意して、これを回している。社員の側から見れば、上司の指示であっても規範に反することは断ってよい、断る先が用意されている、というのがこの仕組みの意味である。IT絡みでは、顧客名簿を私物のUSBメモリに入れて持ち帰る、業務用ソフトを台数分買わずに使う、といった日常の行為が対象になる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
企業の不祥事が続いた時期に、原因の多くが「担当者が悪意で法を破った」のではなく、社内で無理な目標が下り、おかしいと思っても言い出す先がなかったことにあると分かってきた。そこで、法律に触れるかどうかを個人の判断に任せるのをやめ、守るべき行動を規範として文書にし、研修で配り、匿名でも相談できる通報の窓口を用意する、という形で仕組みにしたのがコンプライアンスである。社員の側から見れば、上司の指示でも断ってよい根拠と、断ったあとの行き先が用意されたことになる。試験でストラテジ系の常識として問われるのは、これが特定の部署ではなく全社員の行動に関わるからである。
具体例
イオンは行動規範と内部通報の窓口を設けていることを公表している。こうした仕組みの下では、たとえば店舗の担当者が「今月の数字が足りないから、来月納品ぶんを今月の売上として入力してほしい」と求められた場合、規則に反するとして断り、通報窓口へ相談する経路がある。総務が社内規程を定期的に見直したり、営業部門が広告表現を出す前に景品表示法の観点でチェックしたりするのも、同じ枠組みの中の活動になる。
試験での引っ掛け
「法律さえ守っていればコンプライアンス」と読み違えやすいが、社内規則・社会的規範・企業倫理まで含む。CSR(企業の社会的責任)との関係も定番で、CSRという広い活動の中にコンプライアンスが含まれる包含関係であり、両者を同じ意味として並べた選択肢は誤り。コーポレートガバナンス(経営を監視する仕組み)とも別で、ガバナンスは「経営者が暴走しないよう監視する」側、コンプライアンスは「守るべきことを守る」側と押さえる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問1(IPA)
コンプライアンス経営を説明したものはどれか。
正解:企業倫理に基づき、ルール、マニュアル、チェックシステムなどを整備し、法令や社会規範を遵守した企業活動を行う。
要点:コンプライアンス経営は倫理と仕組みで法令遵守を担保する経営
コンプライアンス(法令遵守)経営とは、法令・社会規範・企業倫理を守って事業を行うために、社内規程やマニュアル、内部通報やチェックの仕組みを整備し、それを組織として運用していく経営姿勢を指す。単に「法律を破らない」だけでなく、倫理に反する行為を防ぐ体制づくりまでを含む点が特徴である。監視・点検の仕組み(コーポレートガバナンス)や、株主への説明(アカウンタビリティ)とは目的が異なる。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問22(IPA)
企業の活動a〜dのうち、コンプライアンスの確立に関するものだけを全て挙げたものはどれか。 a 芸術や文化活動を支援する。 b 従業員に対して行動規範の教育を行う…
正解:b, d
要点:行動規範の教育と内部通報制度がコンプライアンスの柱
コンプライアンスは法令や社会規範、社内ルールを守る取り組みを指す。従業員へ行動規範を教育することは順守すべき基準を周知する活動であり、内部通報の仕組みは違反を早期に発見・是正するための体制であって、どちらもコンプライアンス確立に直結する。芸術・文化支援(メセナ)や環境保全活動は社会貢献やCSRの活動であって、法令順守の体制づくりとは目的が異なる。よってbとdが該当する。
出典:平成28年度 秋期 ITパスポート試験 問29(IPA)
コンプライアンスの取組み強化活動の事例として,最も適切なものはどれか。
正解:遵守すべき法律やルールについて従業員に教育を行った。
要点:コンプライアンス強化の要は法令・ルールの教育
コンプライアンスは法令や社会規範、社内ルールを守ることを指し、その強化には従業員一人ひとりに守るべき内容を理解させる教育が直接的に効く。社会貢献活動はCSR、買収や撤退は経営戦略の実行であって、法令遵守の強化策そのものではない。
出典・参考
公式シラバスの1 企業と法務 > 7. その他の法律・ガイドライン・情報倫理 > (1) コンプライアンスに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。