費用対効果とは?ひようたいこうか
費用対効果とは、投じる費用に対して、どれだけの効果が得られるかの釣り合い。システム化計画では、開発費だけでなく運用・保守まで含めた総費用と、人件費の削減や売上の増加といった効果を金額に置き換えて比べ、投資するかどうかを判断する。効果には金額に直しにくいものもあるため、何をどう数えたのかを明示することが求められる。
最終更新:2026-10-10
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情報システムは作ること自体が目的ではなく、業務の問題を解くための手段である。ところが導入の判断は「便利になりそうだ」という印象で進みやすく、稼働した後に何が良くなったのかを誰も答えられない事態が起きる。費用と効果を先に数字で置いておけば、複数の案を同じ物差しで比べられ、稼働後に狙いどおりだったかを確かめられる。システム化計画で費用対効果を検討させるのは、この検証の土台を作るためである。
具体例
紙の請求書発行を電子化する計画で、導入と5年間の保守に2,000万円かかる一方、印刷と郵送の費用が年200万円、担当者の作業が年1,200時間減るとする。人件費を1時間3,000円で換算すれば効果は年560万円となり、およそ4年で費用を回収できる、という形で比較する。
試験での引っ掛け
費用は導入時の開発費だけでなく、運用・保守・利用者の教育まで含めた総額(TCO:Total Cost of Ownership、総所有コスト)で見る必要がある。また効果には、作業時間の削減のように金額へ直せるものと、顧客満足や意思決定の速さのように直しにくいものがあり、後者を無理に金額化して大きく見せないこと。回収期間だけで良否を決めるのも誤りである。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問25(IPA)
ソフトウェアライフサイクルプロセスにおいて、システム化計画の立案で行うべき作業はどれか。
正解:導入の費用対効果の予測
要点:システム化計画では投資対効果を見積もり実現方法を具体化
システム化計画の立案は、企画プロセスのうちシステム化構想を受けて実現方法を具体化する段階で、対象範囲やスケジュール、体制とともに、投資に見合う効果が得られるかを見積もる。経営上の課題確認はその前のシステム化構想の段階、要件の定義や調達先の評価基準づくりはその後の工程にあたる。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問36(IPA)
内部統制に関する記述a〜cのうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。 a 経営者は内部統制の整備と運用の責任をもっている。 b 内部統制の運用については,…
正解:a, b
要点:内部統制は経営者が責任を負い費用対効果も考慮する
内部統制の整備・運用に最終的な責任を負うのは経営者であり、実際の運用は組織の全員がそれぞれの業務の中で役割を担うことで成り立つ。一方、内部統制は無制限に強化すべきものではなく、得られる効果と要するコストを比較して合理的な範囲で構築するもの(費用対効果の考慮)とされる。したがって適切なのはaとbである。
出典:平成28年度 秋期 ITパスポート試験 問6(IPA)
システム化計画において,情報システムの費用対効果を評価する。その評価指標として,適切なものはどれか。
正解:ROI
要点:情報システム投資の費用対効果はROIで評価する
ROI(投資利益率)は、投じた投資額に対してどれだけの利益や効果が得られたかを比率で表す指標で、情報システム投資の費用対効果を測る代表的な尺度である。ほかの選択肢は株式評価や財務の健全性を見る指標であり、投資効果の測定には用いない。
出典:平成29年度 春期 ITパスポート試験 問19(IPA)解説で登場
システムのライフサイクルを,企画プロセス,要件定義プロセス,開発プロセス,運用プロセス及び保守プロセスとしたとき,企画プロセスのシステム化計画で明らかにする内容…
正解:システム化する機能,開発スケジュール及び費用と効果
要点:システム化計画では対象機能・スケジュール・費用対効果を示す
企画プロセスのシステム化計画では、経営上の課題を踏まえてシステム化の対象範囲や実現する機能の概要、開発のスケジュール、必要な費用と見込まれる効果などを整理し、投資判断ができる形にまとめる。業務手順や業務ルールの詳細、必要な機能や構成条件の確定は要件定義以降、移行手順や教育は開発・移行段階の検討事項である。
出典・参考
公式シラバスの3 システム戦略 > 22. システム化計画 > (1) システム化計画に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。