職務分掌とは?
職務分掌とは、一つの業務プロセスを複数の担当者・部署に分担させ、一人の人間がすべての工程を単独で行えないようにする組織的な統制のしくみ。例えば「申請者」と「承認者」を別の人にすることで、不正な取引やデータ改ざんを一人で完結させることを防ぎ、相互にチェックが働く体制を作る。内部不正対策として基本的かつ重要な考え方であり、システムのアクセス権限設計にもこの原則が反映される。
ITパスポートの過去問では8回出題されています(2010年度〜2023年度)。
しょくむぶんしょう
職務分掌の意味
一つの業務プロセスを複数の担当者・部署に分担させ、一人の人間がすべての工程を単独で行えないようにする組織的な統制のしくみ。例えば「申請者」と「承認者」を別の人にすることで、不正な取引やデータ改ざんを一人で完結させることを防ぎ、相互にチェックが働く体制を作る。内部不正対策として基本的かつ重要な考え方であり、システムのアクセス権限設計にもこの原則が反映される。
職務分掌の具体例
経理システムで、送金データを入力する担当者と、それを承認して実行する担当者を別の人にすることで、一人が架空の送金を勝手に完了させられないようにする。
職務分掌は試験でどう引っ掛けられる?
職務分掌は技術的対策ではなく、業務プロセス・組織体制の設計による人的・組織的な内部不正対策である点に注意する。
職務分掌と関連する用語
職務分掌が出た過去問
ある企業では、業務を遂行する上で違法行為や不正、ミスやエラーなどを防止し、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるように基準や業務手続を定め、管理・監視を行うこと…
正解:内部統制
要点:内部統制は不正・ミスを防ぐ組織的な仕組み
内部統制とは、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、法令の遵守、資産の保全を達成するために、組織自らが基準や手続を定めて運用・監視する仕組みである。不正やミスを未然に防ぎ、起きた場合には早期に発見できるようにすることが目的になる。職務分掌やチェック体制の整備が具体的な手段になる。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問38(IPA)内部統制を考慮した職務分掌として、適切なものはどれか。
正解:申請者自身が承認を行えないように定めた。
要点:職務分掌の基本は申請者と承認者を分けて相互に牽制すること
職務分掌は、相互に牽制が働くように職務と権限を分けることで、不正や誤りを防ぐ内部統制の基本的な仕組みである。申請する人と承認する人を分け、申請者が自分の申請を承認できないようにするのは、その典型的な統制である。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験 問36(IPA)内部統制の観点から、担当者間で相互けん制を働かせることで、業務における不正や誤りが発生するリスクを減らすために、担当者の役割を決めることを何というか。
正解:職務分掌
要点:職務分掌は担当と権限を分け相互牽制で不正を防ぐ
職務分掌とは、業務の担当と権限をあらかじめ分けて定め、一人の担当者が一連の処理を最初から最後まで単独で完結できないようにする仕組みである。例えば発注する人と支払を承認する人を分ければ、互いに牽制が働き不正や誤りが起きにくくなる。内部統制の基本的な統制活動の一つとして押さえておきたい。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問33(IPA)会社を組織的に運営するためのルールのうち、職務分掌を説明したものはどれか。
正解:各部門の職務の内容と責任及び権限を定めたもの
要点:職務分掌=各部門の職務内容と責任・権限を定めたルール
職務分掌は、各部門や役職がどの職務を担い、どこまでの責任と権限を持つのかを明文化した定めである。誰が何をするかの境界を明確にすることで、責任の所在をはっきりさせ、不正の防止にもつながる。組織そのものの構成を定めるのは組織規程、就業条件は就業規則、法令遵守の行動指針は行動規範やコンプライアンス規程が扱う。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問26(IPA)内部統制を機能させるための方策として、適切なものはどれか。
正解:購買と支払の業務を同一人に担当させない。
要点:内部統制の要は職務分掌による相互牽制
内部統制では、不正やミスを防ぐために一人の担当者に一連の権限を集中させない職務分掌が基本となる。購買と支払を同じ人が担えば、架空発注と支払を自分だけで完結できてしまう。担当を分けて相互に牽制させることが有効な方策である。
出典:平成29年度 秋期 ITパスポート試験 問54(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。