職務分掌とは?しょくむぶんしょう
職務分掌とは、一つの業務を最初から最後まで一人でやり切れないように、工程を複数の担当者や部署に割り振っておく組織的な統制。申請する人と承認する人を別にすれば、ごまかすには共謀が必要になり、一人の判断だけでは実行できなくなり、互いに確認が働く体制になる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
内部の不正は、権限を持つ人が自分で起こして自分で承認できてしまう状態から生まれる。人柄を信じるかどうかではなく、そもそも単独では完結しない手続きに組み替えることで、動機があっても実行できない形にするという発想である。IPAのシラバスでも、内部統制を成り立たせる要素の一つとして、業務プロセスの明確化やチェック体制と並べて挙げられている。
具体例
銀行の窓口で高額の振込を受け付けた担当者とは別に、役席者が内容を確かめて承認するのがこれにあたる。同じ考え方は社内システムの権限設計にも持ち込まれ、経費精算では申請できる利用者IDと承認できる利用者IDを分けて登録する。
試験での引っ掛け
技術的対策の選択肢に混ぜて出題される。暗号化やアクセスログの取得のような仕組みではなく、業務手順と組織体制の組み方で防ぐ人的・組織的対策に分類される点が答えの分かれ目になる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験 問36(IPA)
内部統制を考慮した職務分掌として、適切なものはどれか。
正解:申請者自身が承認を行えないように定めた。
要点:職務分掌の基本は申請者と承認者を分けて相互に牽制すること
職務分掌は、相互に牽制が働くように職務と権限を分けることで、不正や誤りを防ぐ内部統制の基本的な仕組みである。申請する人と承認する人を分け、申請者が自分の申請を承認できないようにするのは、その典型的な統制である。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問33(IPA)
内部統制の観点から、担当者間で相互けん制を働かせることで、業務における不正や誤りが発生するリスクを減らすために、担当者の役割を決めることを何というか。
正解:職務分掌
要点:職務分掌は担当と権限を分け相互牽制で不正を防ぐ
職務分掌とは、業務の担当と権限をあらかじめ分けて定め、一人の担当者が一連の処理を最初から最後まで単独で完結できないようにする仕組みである。例えば発注する人と支払を承認する人を分ければ、互いに牽制が働き不正や誤りが起きにくくなる。内部統制の基本的な統制活動の一つとして押さえておきたい。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問26(IPA)
会社を組織的に運営するためのルールのうち、職務分掌を説明したものはどれか。
正解:各部門の職務の内容と責任及び権限を定めたもの
要点:職務分掌=各部門の職務内容と責任・権限を定めたルール
職務分掌は、各部門や役職がどの職務を担い、どこまでの責任と権限を持つのかを明文化した定めである。誰が何をするかの境界を明確にすることで、責任の所在をはっきりさせ、不正の防止にもつながる。組織そのものの構成を定めるのは組織規程、就業条件は就業規則、法令遵守の行動指針は行動規範やコンプライアンス規程が扱う。
出典:平成29年度 秋期 ITパスポート試験 問54(IPA)解説で登場
内部統制を機能させるための方策として、適切なものはどれか。
正解:購買と支払の業務を同一人に担当させない。
要点:内部統制の要は職務分掌による相互牽制
内部統制では、不正やミスを防ぐために一人の担当者に一連の権限を集中させない職務分掌が基本となる。購買と支払を同じ人が担えば、架空発注と支払を自分だけで完結できてしまう。担当を分けて相互に牽制させることが有効な方策である。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 32. 内部統制 > (1) 内部統制に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。