内部不正とは?ないぶふせい
内部不正とは、従業員や委託先など、正規のアクセス権を持つ人がその権限を悪用して情報を持ち出したりデータを書き換えたりする行為。操作そのものは正規の記録として残るため、外部からの侵入を防ぐ対策では止められない。不正は機会・動機・正当化の3つがそろったときに起きやすいとされ(不正のトライアングル)、このうち組織が減らしやすいのは機会である。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
ITパスポートのセキュリティ分野では、組織的対策の1つとして内部不正がそのまま出題される。専門知識は求められず、IPAの「組織における内部不正防止ガイドライン」に記載された取組が適切かどうかを判断させる形と、不正のトライアングルの3要素を選ばせる形が繰り返し出ている。受験者の多くは非IT企業で働く社会人であり、権限を誰に持たせるか、方針を誰が示すかという、日々の職場運営に近い視点で解ける問題になっている。
具体例
退職を控えた営業担当者が、業務で閲覧できる顧客リストを私物のUSBメモリへ複製して持ち出す。これを防ぐには、必要な範囲だけに権限を絞る、外部記憶媒体の使用を制限する、大量のダウンロードを検知する、退職時にアカウントを速やかに停止する、といった「実行できてしまう状況」をなくす手当てが要る。
試験での引っ掛け
「信頼できる1人に任せれば安全」という考え方が誤答として置かれる。高い規範意識をもつ者であっても、システム管理者を1人だけ任命して全ての権限をその人に集中させるのは内部不正防止の考え方に反し、権限を分けて相互に牽制させるのが原則である。一方、重大な不正を犯した者への処罰の検討と再発防止措置の実施、経営者が基本方針を策定して役職員に周知徹底することは、いずれもガイドラインが求める適切な取組であり、これらを不適切と判断すると外す。不正のトライアングルの3要素は機会・動機・正当化で、「情報」は要素ではない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和元年度 秋期 ITパスポート試験 問61(IPA)
IPA“組織における内部不正防止ガイドライン(第4版)”にも記載されている、内部不正防止の取組として適切なものだけを全て挙げたものはどれか。 a システム管理者…
正解:b, c
要点:権限は一人に集中させず、経営者が方針を示す
内部不正防止では、権限を一人に集中させないこと(職務分離や相互牽制)が基本であり、全権限の集中はむしろリスクを高める。一方、不正が起きた際の処罰と再発防止措置の実施、経営者による基本方針の策定と周知は、いずれもガイドラインが求める取組である。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験 問65(IPA)
企業での内部不正などの不正が発生するときには、“不正のトライアングル”と呼ばれる3要素の全てがそろって存在すると考えられている。“不正のトライアングル”を構成す…
正解:機会、正当化、動機
要点:不正は機会・動機・正当化の3つがそろうと起きる
不正のトライアングルは、内部不正が発生する背景を、機会・動機・正当化の3つで説明する考え方である。機会は不正を実行できてしまう環境、動機は金銭的困窮やノルマなどの事情、正当化は自分の行為を都合よく理屈づける心理を指す。3つがそろったときに不正が起きやすいとされ、特に管理側で減らしやすい機会を絶つことが対策の要点となる。
出典・参考
公式シラバスの9 技術要素 > 61. 情報セキュリティ > (3) 脅威と脆弱性に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。