改ざんとは?かいざん
改ざんとは、保管中や通信中のデータを、権限のない者が本来の内容と違うものへ書き換える行為。情報セキュリティの3要素のうち完全性を損なう脅威にあたり、Webページの書換え、振込先口座の差替え、操作ログの消去などが典型である。書き換えられた事実に気づけないことが被害を大きくする。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
紙の帳簿なら書き換えれば筆跡や消し跡が残るが、デジタルデータは1ビット変えても痕跡が残らず、原本と複製の区別もつかない。人の目で「元のままか」を確かめられないため、ハッシュ値やデジタル署名のように、内容から計算した値を突き合わせて機械的に検証する仕組みが必要になった。盗まれること(機密性)とは別に、正しさが失われること自体を脅威として立てているのはこのためである。
具体例
プログラムの変更履歴を管理するソフトのGitは、変更を記録するたび(コミット)に内容のハッシュ値を鎖のようにつなぐ。そのため途中の履歴を書き換えると後ろのハッシュ値が合わなくなり、書き換えを見つけられる。Amazonのクラウド保管サービスS3の「オブジェクトロック」のように、指定期間は上書きも削除も受け付けない設定で改ざんそのものを防ぐ仕組みもある。
試験での引っ掛け
改ざんは完全性への脅威であり、盗聴(機密性)やサービス妨害(可用性)とは分けて覚える。また暗号化しても改ざんは防げない。暗号化は読めなくするだけで、書き換え自体は起こりうるので、検知にはハッシュ値やデジタル署名が別に要る。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問59(IPA)
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問59(IPA)解説で登場
外部保管のために専門業者に機密情報を含むバックアップ媒体を引き渡す際の安全性について,情報セキュリティ監査を実施した。その結果として判明した状況のうち,監査人が…
正解:委託元担当者が,バックアップ媒体を段ボール箱に入れ,それを専門業者に引き渡している。
要点:機密媒体の外部搬送には施錠・封印など物理的保護が必要
機密情報を含む媒体を外部に持ち出す際は、内容の秘匿と改ざん・すり替えの防止のため、施錠できる搬送容器や封印など物理的な保護策が必要である。段ボール箱に入れただけでは中身を容易に取り出せてしまうため、安全性が確保されておらず指摘事項となる。
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問71(IPA)解説で登場
ブロックチェーンによって実現されている仮想通貨マイニングの説明はどれか。
正解:仮想通貨取引の確認や記録の計算作業に参加し、報酬として仮想通貨を得る。
要点:マイニングは取引検証の計算に参加して報酬を得ること
マイニングとは、ブロックチェーンに新しい取引記録のブロックを追加するために必要な膨大な計算を行い、正当なブロックを最初に見つけた者が報酬として仮想通貨を受け取る仕組みである。この計算競争が改ざんを困難にし、中央の管理者なしで取引の正当性を保つ役割を果たす。売買や送金、決済といった通貨の利用行為とは別の概念である。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問37(IPA)
情報の“完全性”を脅かす攻撃はどれか。
正解:Webページの改ざん
要点:改ざんは完全性、盗聴や漏えいは機密性、停止は可用性への脅威
情報セキュリティの3要素のうち、完全性は情報が正確で改変されていない状態を指す。したがって内容を勝手に書き換える行為が完全性への攻撃に当たる。盗聴やデータの持ち出しは機密性、サービス停止を狙う攻撃は可用性を脅かすものであり、区別して覚える。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問38(IPA)
メッセージ認証符号におけるメッセージダイジェストの利用目的はどれか。
正解:メッセージが改ざんされていないことを確認する。
要点:メッセージダイジェストはハッシュ値の照合で改ざんを検出する
メッセージダイジェストは、メッセージ全体をハッシュ関数にかけて得られる固定長の値である。内容が1ビットでも変わればダイジェストも変わるので、送受信の両側で計算した値を突き合わせれば改ざんの有無を検出できる。メッセージ認証符号はこの性質を鍵と組み合わせて利用する。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (3) 脅威に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。