ハッシュ値とは?はっしゅち
ハッシュ値とは、ハッシュ関数(どんな長さのデータからも決まった長さの値を計算する関数)で求めた値。同じデータからは必ず同じ値が出て、1文字でも違うとまったく違う値になる。値から元のデータには戻せない。セキュリティでは改ざんの検知・デジタル署名・パスワードの保存に使い、アルゴリズムではデータの格納場所を計算で決めるハッシュ表探索法に使う。異なるデータから同じハッシュ値が出ることを衝突(シノニム)という。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
大きなファイルが途中で書き換えられていないかを、全部を1文字ずつ比べずに確かめたい。短い値を比べるだけで一致を確認できるので、改ざんの検知や、大量のデータから目的の値をすぐ探す仕組みの土台になった。
具体例
Ubuntu の公式サイトは、配布しているインストール用ファイルの SHA-256(ハッシュ関数の一つ)のハッシュ値を公開している。ダウンロードしたファイルから自分でハッシュ値を計算し、公開された値と一致すれば、途中で壊れたり書き換えられたりしていないと確かめられる。
試験での引っ掛け
暗号化との取り違えが定番。暗号化は鍵で元に戻せるが、ハッシュ値からは元のデータに戻せない。また、ハッシュ値の照合だけでは「誰が作ったか」は証明できず、作成者を確かめるには秘密鍵で署名するデジタル署名が要る。科目 A のハッシュ表の問題では、mod(割り算の余り)で格納位置を決めたときに衝突する組を数えさせる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問38(IPA)
メッセージ認証符号におけるメッセージダイジェストの利用目的はどれか。
正解:メッセージが改ざんされていないことを確認する。
要点:メッセージダイジェストはハッシュ値の照合で改ざんを検出する
メッセージダイジェストは、メッセージ全体をハッシュ関数にかけて得られる固定長の値である。内容が1ビットでも変わればダイジェストも変わるので、送受信の両側で計算した値を突き合わせれば改ざんの有無を検出できる。メッセージ認証符号はこの性質を鍵と組み合わせて利用する。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問44(IPA)
ディジタルフォレンジックスでハッシュ値を利用する目的として,適切なものはどれか。
正解:証拠となり得るデータについて,原本と複製の同一性を証明する。
要点:ハッシュ値の一致で原本と複製の同一性を証明する
ディジタルフォレンジックスでは、証拠となる媒体を直接調べず、複製を作って解析する。このとき原本と複製それぞれのハッシュ値を求め、一致することを示せば、複製が原本と同一で改変されていないと証明できる。証拠としての完全性を担保するための使い方である。
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問40(IPA)解説で登場
ディジタル署名における署名鍵の使い方と、ディジタル署名を行う目的のうち、適切なものはどれか。
正解:送信者が署名鍵を使って署名を作成し、その署名をメッセージに付加することによって、受信者が送信者を確認できるようにする。
要点:ディジタル署名は送信者の秘密鍵で作り、本人確認と改ざん検知に使う
ディジタル署名では、送信者が自分だけが持つ秘密鍵(署名鍵)でメッセージのハッシュ値を暗号化して署名を作り、メッセージに添えて送る。受信者は公開されている検証鍵で署名を確かめることで、送信者が本人であること(認証)と内容が改ざんされていないこと(完全性)を確認できる。内容を第三者に隠す守秘は署名の目的ではない。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問41(IPA)解説で登場
情報セキュリティにおけるタイムスタンプサービスの説明はどれか。
正解:電子データが,ある日時に確かに存在していたこと,及びその日時以降に改ざんされていないことを証明するサービス
要点:タイムスタンプは存在時刻と以後の非改ざんを証明する
タイムスタンプサービスは、電子データのハッシュ値に信頼できる第三者が時刻情報を結び付けて署名し、時刻証明書を発行する仕組みです。これにより、そのデータがその時刻に存在していたこと(存在証明)と、以後内容が変わっていないこと(完全性)を後から検証できます。電子文書の証拠力を保つために使われます。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。