改ざん検知とは?かいざんけんち
改ざん検知とは、データが作られたあとや送られる途中で、中身が書き換えられていないかを確かめること。代表的な方法は、ハッシュ関数(どんな長さのデータからも決まった長さの要約値を作る、元に戻せない計算)で受け取ったデータの値を求め、送り手が示した値と照らし合わせるもの。情報セキュリティの3要素のうち完全性(書き換えさせない)を守る手段で、ハッシュ値の照合・メッセージ認証符号(MAC:共通鍵を使って作る検査用の値)・ディジタル署名の順に、「誰が作ったか」まで確かめられる範囲が広がる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
ネットワーク越しにファイルを配ったり受け取ったりするのが当たり前になると、途中で中身を差し替えられても、受け手には見分けがつかない。暗号化は中身を「読ませない」ための仕組みで、書き換えられたかどうかは教えてくれない。隠すことと変わっていないと確かめることは別の仕組みで用意する必要があり、1ビット変わっただけで値が大きく変わるハッシュ値がその役を担った。
具体例
Linux の Ubuntu を配布する Canonical は、インストール用のファイルと一緒に SHA-256(ハッシュ関数の一つ)で求めた値を公開している。ダウンロードしたファイルから手元で同じ計算をして値が一致すれば、途中で壊れたり差し替えられたりしていないと確かめられる。Windows なら certutil -hashfile コマンドで計算できる。
試験での引っ掛け
ハッシュ値が一致しても「誰が送ったか」は分からない。攻撃者がファイルとハッシュ値を両方差し替えれば一致してしまうので、送り手の確認まで要るならディジタル署名(送り手の秘密鍵で作る)を使う。過去問では「ディジタル署名の目的は本人確認と改ざん検知で、内容を第三者に隠すこと(守秘)ではない」が問われる。UPS(停電時の電源)やペネトレーションテスト(実際に侵入できるかを試す検査)など、目的の違う対策と並べて区別させる選択肢も出る。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問40(IPA)解説で登場
ディジタル署名における署名鍵の使い方と、ディジタル署名を行う目的のうち、適切なものはどれか。
正解:送信者が署名鍵を使って署名を作成し、その署名をメッセージに付加することによって、受信者が送信者を確認できるようにする。
要点:ディジタル署名は送信者の秘密鍵で作り、本人確認と改ざん検知に使う
ディジタル署名では、送信者が自分だけが持つ秘密鍵(署名鍵)でメッセージのハッシュ値を暗号化して署名を作り、メッセージに添えて送る。受信者は公開されている検証鍵で署名を確かめることで、送信者が本人であること(認証)と内容が改ざんされていないこと(完全性)を確認できる。内容を第三者に隠す守秘は署名の目的ではない。
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問36(IPA)解説で登場
アプリケーションソフトウェアにディジタル署名を施す目的はどれか。
正解:アプリケーションソフトウェアの改ざんを利用者が検知できるようにする。
要点:ディジタル署名は改ざん検知と作成者の確認のために付す
ディジタル署名は、配布物のハッシュ値を作成者の秘密鍵で暗号化したものである。受け取った側は公開鍵で検証し、値が一致すれば作成者が本物であることと、配布後に内容が書き換えられていないことを確認できる。
出典:令和4年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問33(IPA)解説で登場
UPSの導入によって期待できる情報セキュリティ対策としての効果はどれか。
正解:電源の瞬断に起因するデータの破損を防ぐ。
要点:UPSは瞬断による異常終了とデータ破損を防ぐ
UPSは無停電電源装置で、内蔵の電池により停電や瞬間的な電圧低下が起きても電力の供給を続ける。これにより、書込み途中の異常終了によるデータの破損を防ぎ、安全に処理を終えてから停止させられる。可用性と完全性を守る物理的な対策であり、通信の暗号化や改ざん検知とは目的が異なる。
出典:令和6年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問9(IPA)解説で登場
ペネトレーションテストに該当するものはどれか。
正解:公開Webサーバや組織のネットワークの脆弱性を探索し、サーバに実際に侵入できるかどうかを確認する。
要点:ペネトレーションテストは実際に侵入できるかを試す
ペネトレーションテストは、実際に攻撃者と同じ手口で対象システムへの侵入を試み、防御を突破できるかを確認する検査である。脆弱性の有無を調べるだけでなく、実際に侵入可能かという観点まで踏み込む点が特徴になる。ソースコード検査や改ざん検知、通信の振る舞い監視とは目的が異なる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。