契約不適合責任とは?けいやくふてきごうせきにん
契約不適合責任とは、引き渡された目的物が、種類・品質・数量の点で契約の内容として約束された水準に達していないときに、売主や請負人が負う責任。買主・注文者の側は、まず追完を求め、応じられなければ代金の減額、損害の賠償、契約の解除へ進むという順で救済を求める。何を約束したかを示せるのは契約書と要件定義書だけである。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
かつての瑕疵担保責任は目的物に隠れた欠陥があるかを問う法定責任と説明され、当事者が何を約束したのかとの結び付きが弱かった。改正民法は判断基準を契約の内容への適合性へ一本化し、約束どおりでなければ責任が生じる構成へ改めた。合意した仕様を文書として残す重みが増したのはこのためである。仕様の合意をどこまで文書化したかが、そのまま救済の可否を左右する。
具体例
監査人はシステム開発委託の契約書と要件定義書を突合し、性能や可用性の水準が数値で契約の内容に取り込まれているかを確かめる。「使いやすいこと」といった記述だけでは不適合を主張する基準にならず、検収後に不具合が判明しても救済を求めにくくなる。
試験での引っ掛け
救済の中心は修補などの追完請求であり、いきなり解除や減額を選べるとする記述は誤り。また不適合を知った時から1年以内という通知の期間制限があり、これを怠ると請求できなくなる。旧法の瑕疵担保責任との対比で、4つの救済手段を並べる形で問われる。
関連用語
出た過去問
出典:令和3年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
A社は、B社に発注したソフトウェア開発と、それを稼働させるサーバとクライアントPCの売買が、契約内容に適合しない事実を知った。民法の契約不適合責任に関する記述と…
正解:A社には、契約不適合の程度に応じた目的物の修補、代替物又は不足分の引渡し、損害賠償、契約の解除、履行の追完請求後の報酬減額を求める権利がある。
要点:契約不適合には追完請求を軸に減額・賠償・解除の救済が用意される
改正民法の契約不適合責任では、買主・注文者は、修補や代替物・不足分の引渡しといった履行の追完請求を第一に行い、追完がされない場合には報酬(代金)の減額請求ができる。さらに要件を満たせば損害賠償請求と契約の解除も可能で、これらの救済が段階的に用意されている。損害賠償には債務者の帰責事由が必要で、無過失責任ではない。
出典:令和5年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
A社は、B社にソフトウェアの開発を委託し、それを稼働させるためのサーバとクライアントPCを購入したところ、目的物となる納品物が、契約内容に適合しない事実を知った…
正解:A社には、契約不適合の程度に応じた目的物の修補、代替物又は不足分の引渡し、損害賠償、契約の解除、及び履行の追完請求を行ったが履行の追完がなされない場合における代金の減額を求める権利がある。
要点:契約不適合責任では追完・減額・賠償・解除を請求できる
改正民法の契約不適合責任では、買主・注文者に、履行の追完請求(修補・代替物や不足分の引渡し)、追完がなされない場合の代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除という救済手段が認められる。特約がなければこの原則どおりの権利をA社が持つ。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。