サンプリングリスクとは?さんぷりんぐりすく
サンプリングリスクとは、試査で得た結論が、全件に手続を適用したなら出たはずの結論と食い違ってしまう可能性のこと。外れ方には二つの向きがあり、不備のある統制を有効と見誤れば指摘されるべき問題が残って監査の有効性が損なわれ、健全な統制を不備と見誤れば不要な追加手続を招いて効率が落ちる。
最終更新:2026-10-06
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試査を前提とする以上、標本の姿が母集団の姿とずれる可能性は原理的に消せない。監査人にできるのはリスクをゼロにすることではなく、どちらの方向へ外れると何が起きるかを区別し、許容できる水準まで標本件数で抑え込むことである。とりわけ有効でない統制を有効と誤る方向は、不備が指摘されないまま残るため監査への信頼そのものを損なう。だからこの区分は監査計画の段階で意識される。
具体例
実際には母集団の8%に逸脱が含まれる統制について、抽出した50件にたまたま逸脱が1件も入らず「有効」と評価してしまうのが、有効性を損なう方向のリスク。逆に例外的な1件が標本に入り、実態より厳しく不備ありと評価するのが効率性を損なう方向である。
試験での引っ掛け
非サンプリングリスク(手続の選定を誤る、証拠を見落とす、結果の解釈を誤る)と区別する。標本件数を増やして下げられるのはサンプリングリスクだけで、非サンプリングリスクは監査人の力量と査閲の仕組みで抑える。監査の有効性を損なうのは、有効でない統制を有効と誤る方向である。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問2(IPA)解説で登場
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
要点:統計的サンプリングでは必要な標本件数を事前に算定できる
統計的サンプリングは確率論に基づくため、許容できる逸脱率や信頼度、予想逸脱率を設定すれば、必要な標本件数を事前に算出できる。ただし標本による推定である以上、母集団を全件調べた場合と同じ結果が常に得られるわけではなく、サンプリングリスクが残る。重要案件やエラー処理済データだけを選ぶ方法は無作為性を欠き、統計的サンプリングには当たらない。
出典:令和2年度 10月試験 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
要点:統計的サンプリングは必要な標本件数を事前に算定できる点が本質
統計的サンプリングは、母集団から確率論に基づいて標本を抽出し、その結果を母集団全体へ推定する手法である。信頼度・許容逸脱率・想定逸脱率といったパラメータを設定すれば、必要なサンプル件数を統計的に算出でき、監査に着手する前に件数を決められる点が特徴となる。一方で標本にすぎない以上、母集団全件を調べた場合と結論が完全に一致する保証はなく、サンプリングリスクが常に残る。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。