プロジェクトと定常業務・プログラム・ポートフォリオとは?ぷろじぇくととていじょうぎょうむ・ぷろぐらむ・ぽーとふぉりお
プロジェクトは独自の成果物やサービスを生む、始まりと終わりが明確な有期の活動で、反復して続く定常業務と対になる。関連し合う複数のプロジェクトを束ねて成果を最大化する単位がプログラム、関連の有無を問わず組織の戦略目標の観点で選別・配分する単位がポートフォリオ(JIS Q 21500)。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
有期の活動を定常業務と同じ指標(稼働率・処理件数)で管理すると、終わらせること自体が評価されず、目的を失った活動が延命する。逆に個々のプロジェクトをどれだけ上手にこなしても、そもそも投資すべきでない案件が走り続けることは防げない。上位にプログラムとポートフォリオという層を置くのは、この二種類の失敗をそれぞれ別の階層で潰すためである。
具体例
この三層を定義しているのがJIS Q 21500と、PMIが編むPMBOKである。「新会計システムを半年で構築する」がプロジェクト、稼働後の月次締め処理の運用が定常業務。会計・人事・購買の刷新を全社DXの旗の下に束ねて依存関係を調整すればプログラム、限られた投資枠の中でどの案件に人と金を割きどれを中止するかを決めればポートフォリオマネジメント。
試験での引っ掛け
規模の大小は分岐点ではない。有期性と独自性の2つが揃うかどうかで判定し、大規模でも繰り返し続くなら定常業務。またプログラムとポートフォリオの包含関係を逆にしやすく、正しくはポートフォリオ⊃プログラム⊃プロジェクト。プログラムは相互に関連するものの束、ポートフォリオは関連しないものも戦略の観点でまとめる点が違う。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問51(IPA)
PMBOKガイド第6版によれば、プロジェクト・マネジャー、プログラム・マネジャー、ポートフォリオ・マネジャー、プロジェクトマネジメント・オフィス(PMO)は、そ…
正解:プロジェクトに関連するガバナンス・プロセスを標準化し、資源、方法論、ツール及び技法の共有を促進する。
要点:PMOは標準化と資源共有でプロジェクト運営を横断的に支える組織
PMOは組織内のプロジェクトマネジメントを支援する組織で、ガバナンスプロセスの標準化、方法論・ツール・技法・人材といった資源の共有促進、教育やメンタリングなどを担います。個々のプロジェクトの目標達成を直接担うのではなく、横断的な仕組みづくりを行う点が他の役割との違いです。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問56(IPA)
ITIL 2011 editionによれば、サービス・ポートフォリオの説明のうち、適切なものはどれか。
正解:サービス・プロバイダの約束事項と投資を表すものであって、サービス・プロバイダによって管理されている“検討中か開発中”,“稼働中か展開可能”及び“廃止済み”の全てのサービスが含まれる。
要点:サービスポートフォリオは検討中から廃止済みまで全サービスを含む
サービスポートフォリオは、サービスプロバイダが管理する全サービスの一覧であり、検討中・開発中のサービスパイプライン、稼働中または展開可能なサービスカタログ、廃止済みサービスの3つをすべて含む。顧客に公開されるのはこのうちサービスカタログの部分だけである。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問61(IPA)
IT投資ポートフォリオにおいて,情報化投資の対象を,戦略,情報,トランザクション,インフラの四つのカテゴリに分類した場合,トランザクションカテゴリに対する投資の…
正解:ルーチン化された業務のコスト削減や処理効率向上を図る。
要点:トランザクション投資は定型業務の効率化とコスト削減が狙い。
IT投資ポートフォリオでは、投資対象を狙いごとに分類する。トランザクションカテゴリは、受発注処理や会計処理のように日常的に繰り返される定型業務を対象とし、その処理を効率化して人手やコストを削減することが直接の目的である。戦略カテゴリは競争優位の獲得、情報カテゴリは管理・分析の支援、インフラカテゴリは共通基盤の提供と、それぞれ目的が異なる。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)解説で登場
PPMにおいて、投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。
正解:市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業
要点:PPMの資金源は低成長・高シェアの「金のなる木」
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)では、市場成長率が低く相対的市場占有率が高い事業を「金のなる木」と呼ぶ。成長のための追加投資が少なくて済む一方、高いシェアから安定した資金を生むため、他の事業への投資原資となる。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)における“花形”を説明したものはどれか。
正解:市場成長率、市場占有率ともに高い製品である。成長に伴う投資も必要とするので、資金創出効果は大きいとは限らない。
要点:花形は成長率も占有率も高いが、投資が続くため資金の稼ぎ手とは限らない
PPMでは市場成長率と市場占有率の2軸で製品を4分類します。花形は両方が高い製品で、大きな売上を生む一方、成長市場で地位を保つための投資も継続的に必要となるため、正味の資金創出効果は必ずしも大きくありません。成長が鈍化すれば金のなる木へ移行します。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。