リスクマネジメントとは?りすくまねじめんと
リスクマネジメントとは、組織が直面するリスクを特定・分析・評価し、対応方法を選んで実行し、結果を監視して見直していく一連の活動全体。リスクアセスメント(特定・分析・評価)とリスク対応に加え、モニタリングとレビュー、関係者との認識合わせであるリスクコミュニケーションまでを含む。ISMSではこの活動が中核に置かれ、決めた内容は適用宣言書やリスク対応計画として文書に残る。
最終更新:2026-10-06
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リスクをゼロにすることはできず、対策には必ず費用がかかる。どこまで手を打ち、どこから先は受け入れるのかを誰かが決めなければならず、その判断を思い付きで行えば、後から説明も検証もできない。特定から見直しまでを決まった順序と記録で回す形にすることで、判断の根拠を残し、環境が変わったときに同じ手順でやり直せるようにしたのがリスクマネジメントである。読者は、この一巡を自部門で回す実務の担い手にあたる。
具体例
新しいクラウドサービスを導入する前に、扱う情報の重要度と想定される漏えいの経路を洗い出し、リスクレベルを算定して基準と照らす。その結果に応じて、契約条件の見直し、アクセス制限、利用範囲の限定といった対応を決め、実施後に残るリスクをリスク所有者が確認して受容の可否を判断する。導入後も年次の見直しで再評価する。
試験での引っ掛け
リスクアセスメントと同義ではない。リスクマネジメントは、アセスメント(特定・分析・評価)にリスク対応と監視・見直しまで含めた上位の活動である。また順序は「特定→分析→評価→対応」で、対応方法を先に決めてからリスクを分析するのではない。一度回して終わりの作業でもない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問30(IPA)解説で登場
情報技術セキュリティ評価のための国際標準であり、コモンクライテリア(CC)と呼ばれるものはどれか。
要点:コモンクライテリアはISO/IEC 15408
ISO/IEC 15408はコモンクライテリア(CC)と呼ばれる、IT製品やシステムのセキュリティ機能とその保証レベルを評価するための国際規格である。日本ではJIS X 5070として規格化され、評価済み製品の調達判断に利用される。品質のISO 9001、環境のISO 14000シリーズ、情報セキュリティリスクマネジメントのISO/IEC 27005と混同しないよう番号で押さえたい。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問3(IPA)
情報セキュリティに係るリスクマネジメントが効果的に実施されるよう、リスクアセスメントに基づいた適切なコントロールの整備、運用状況を検証又は評価し、保証又は助言を…
正解:情報セキュリティ監査
要点:独立した立場でコントロールを検証し保証・助言するのが情報セキュリティ監査
独立かつ専門的な立場の実施者が、情報セキュリティのコントロールの整備状況・運用状況を検証・評価し、保証または助言を与える活動は情報セキュリティ監査である。独立性が要件となる点が、自己点検型の手法と決定的に異なる。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問5(IPA)
JIS Q 31000:2010(リスクマネジメント-原則及び指針)において、リスクマネジメントを効果的なものにするために、組織が順守することが望ましいこととし…
正解:リスクマネジメントは、組織に合わせて作られる。
要点:リスクマネジメントは組織に合わせ、動的で業務と一体
JIS Q 31000が掲げる原則には「リスクマネジメントは組織に合わせて作られる」があり、組織の外部・内部状況やリスクプロファイルに適合させることが求められる。他の原則として、動的で変化に対応すること、組織のプロセスに不可欠な要素であること、意思決定の一部であることなども挙げられている。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問6(IPA)
JIS Q 31000:2010(リスクマネジメント-原則及び指針)において、リスクマネジメントは、“リスクについて組織を指揮統制するための調整された活動”と定…
正解:リスク特定 → リスク分析 → リスク評価 → リスク対応
要点:特定・分析・評価がリスクアセスメント、その後に対応
リスクマネジメントプロセスでは、まずリスクアセスメントとして「リスク特定→リスク分析→リスク評価」を順に行い、その結果を受けてリスク対応を選択・実施する。特定で何が起こり得るかを洗い出し、分析でリスクレベルを算定し、評価でリスク基準と比較して対応要否と優先順位を決める、という流れである。
出典:令和6年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問1(IPA)
JIS Q 31000:2019(リスクマネジメントー指針)におけるリスクアセスメントを構成するプロセスの組合せはどれか。
正解:リスク特定,リスク分析,リスク評価
要点:リスクアセスメントはリスク特定・分析・評価の三つで構成される
JIS Q 31000では、リスクアセスメントはリスク特定・リスク分析・リスク評価の三つのプロセスで構成されます。まずどんなリスクがあるかを洗い出し(特定)、その性質やリスクレベル(結果と起こりやすさで表す大きさ)を把握し(分析)、リスク基準(リスクの重大性を判断する物差し)と照らして対応の要否や優先順位を判断します(評価)。その結果を受けて実施するリスク対応は、アセスメントの外側にある別のプロセスです。
出典・参考
公式シラバスの1 技術要素 > 2 情報セキュリティ管理 > 情報セキュリティ管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。