鍵管理とは?かぎかんり
鍵管理とは、暗号鍵の生成・配付・書込み・保管・更新・廃棄までの取扱いを、鍵が漏れない形で回し続ける仕組み。組込みでは、製造工程のどこで誰が鍵を書き込むか、機器ごとに個別鍵を持たせるかを決める設計判断そのものを指す。出荷後に鍵を差し替える手段の有無も含む。
最終更新:2026-10-06
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暗号アルゴリズムは公開されて強度が検証されるのが前提で、秘密にできるのは鍵だけという構図が最初からある。ところが組込み機器は現物が第三者の手に渡り、基板を開けられ、フラッシュを吸い出され、消費電力波形まで観測される。サーバのように施錠された部屋を前提にできない以上、鍵は「置き場所」と「一生の面倒の見方」まで含めて設計するしかない。シラバスでもセキュリティは要求仕様策定の段階で吟味する項目として置かれており、後付けの対策としては問われない。
具体例
STMicroelectronicsのSTM32は、鍵をOTP領域に書いたうえで読出し保護(RDP)を最上位に上げ、デバッグポートを恒久的に閉じる手順を用意している。全機共通鍵を避けるには、マスタ鍵と個体識別子から個別鍵を導出する方式を採り、書込みは工場の管理された設備に限定する。
試験での引っ掛け
アルゴリズムの強度を論じても、鍵がソースコードやファームウェアイメージに平文で埋まっていれば全体が破られる。全機同一鍵は1台の解析で全数が落ちるため、答案では個別鍵化と更新手段の用意まで書き切る。廃棄・返品された機器から鍵が回収されうる点も、運用側の抜けとして問われる。
関連用語
出た過去問
出典:令和2年度 10月試験 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(IPA)解説で登場
公開鍵暗号方式を使った暗号通信をn人が相互に行う場合、全部で何個の異なる鍵が必要になるか。ここで、一組の公開鍵と秘密鍵は2個と数える。
正解:2n
要点:公開鍵暗号はn人でも鍵は2n個で済む
公開鍵暗号方式では、各人が自分専用の公開鍵と秘密鍵の対を1組もてばよく、通信相手が増えても自分の鍵を増やす必要はない。n人が相互に通信する場合、1人当たり2個の鍵でn人分なので合計2n個となる。相手ごとに鍵が必要でn(n-1)/2個を要する共通鍵暗号方式と比べ、鍵管理の負担が小さいのが利点である。
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(IPA)解説で登場
共通鍵暗号方式において、100人の送受信者のそれぞれが、相互に暗号化通信を行うときに必要な共通鍵の総数は幾つか。
正解:4,950
要点:共通鍵の必要数はn(n-1)/2で人数の2乗に比例して増える
共通鍵暗号方式では通信する2者ごとに固有の鍵が必要になるため、必要な鍵の数はn人から2人を選ぶ組合せの数n(n-1)/2で求められる。n=100なら100×99÷2=4,950本となる。人数の2乗に比例して増えるこの鍵管理の負担が、公開鍵暗号方式を併用する動機の1つである。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの3 技術要素 > 1. 情報セキュリティ > (8) 情報セキュリティに関する技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。