実効アクセス時間とは?じっこうあくせすじかん
実効アクセス時間とは、記憶階層をヒット率で重み付けした平均アクセス時間。「ヒット率×高速側の時間+(1−ヒット率)×低速側の時間」で求める。カタログ上のキャッシュ速度ではなく、実際のアクセスパターンで得られる性能を1つの数値に落とすための指標になる。
最終更新:2026-10-06
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速くて小さい記憶と、遅くて大きい記憶を積み重ねる階層構造は、どの階層に当たるかで所要時間が桁で変わる。そのため個々の速度を並べても系の性能を語れず、当たる確率を掛け合わせた期待値でしか比較できない。組込みでは、この数値が机上の性能見積りとして設計の初期段階に出てくる。キャッシュを積むか、内蔵SRAMを増やすか、アルゴリズムで参照の局所性を上げるかという投資判断が、この一本の式の上で比較される。
具体例
キャッシュ10ナノ秒、主記憶100ナノ秒、ヒット率95%なら0.95×10+0.05×100=14.5ナノ秒になる。ヒット率が90%へ落ちるだけで19ナノ秒へ悪化し、キャッシュの速度を上げるよりヒット率を上げるほうが効く、という判断がこの計算から出てくる。
試験での引っ掛け
ミス時の時間を「低速側の時間だけ」とするか「高速側の探索時間+低速側」とするかは問題文の定義に従う。ここを読み違えると答えがずれる。ヒット率が数%動くだけで結果が大きく振れるため、平均値だけを見て最悪実行時間を語らないこと——締切を守れるかの議論には最悪値が要る。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
キャッシュメモリのアクセス時間が主記憶のアクセス時間の1/30で、ヒット率が95%のとき、主記憶の実効アクセス時間は、主記憶のアクセス時間の約何倍になるか。
正解:0.08
要点:実効時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
実効アクセス時間は、ヒットしたときとミスしたときの時間を、それぞれの確率で重み付けした期待値になる。主記憶のアクセス時間を1とすればキャッシュは1/30なので、0.95×(1/30)+0.05×1 を計算する。前半が約0.032、後半が0.05で、合計は約0.08倍となる。ヒット率が高くてもミス時の重い代償が効いてくる点が読み取りどころである。
出典:令和2年度 10月試験 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
キャッシュメモリのアクセス時間が主記憶のアクセス時間の1/30で、ヒット率が95%のとき、実効メモリアクセス時間は、主記憶のアクセス時間の約何倍になるか。
正解:0.08
要点:実効アクセス時間はヒット率で重み付けした加重平均で求める
実効アクセス時間は、ヒット時とミス時の時間をそれぞれの確率で重み付けして足し合わせる。主記憶のアクセス時間を1とすると、キャッシュは1/30なので、0.95×(1/30)+0.05×1=約0.0317+0.05=約0.082となる。したがって主記憶アクセス時間の約0.08倍である。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの2 コンピュータシステム > 2. メモリ > (5) メモリの容量と性能に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。