ロールフォワードとは?ロールフォワード
ロールフォワードとは、バックアップを復元したうえで、更新後ログ(REDOログ)を順に適用し、障害直前のコミット済み状態まで進める回復処理。適用するのはコミット済みトランザクションの更新だけで、未コミット分は適用しないかロールバックで取り消す。媒体障害からの回復はこの手順が基本になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
ディスクが壊れると、その上のデータもログの一部も失われるため、実行中の処理を巻き戻すだけでは回復にならない。かといって毎分バックアップを取るのは現実的でないので、DBMSは定期的な全体バックアップと、その後の更新を逐次記録した更新後ログを別の媒体に分けて持つ。この2つを組み合わせれば、バックアップ時点から障害直前まで再現できる。試験ではどの障害にどちらの向きの回復を使うかが定番の設問になる。
具体例
Oracle DatabaseやPostgreSQLのポイントインタイムリカバリは、この手順そのものである。日曜夜のバックアップを戻し、そこから障害直前までのアーカイブログを適用して、失われた1週間ぶんの更新を再現する。
試験での引っ掛け
ロールバックと向きが逆。トランザクション障害は更新前ログで戻して回復、媒体障害はバックアップ復元+更新後ログで進めて回復する。またログとバックアップを同じディスクに置くと、媒体障害で両方を失いロールフォワードができなくなる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(IPA)解説で登場
WAL(Write Ahead Log)プロトコルの目的に関する説明のうち、適切なものはどれか。
正解:何らかの理由でDBMSが停止しても、コミット済みであるがデータベースに書き込まれていない更新データの回復を可能にする。
要点:更新前にログを書くことでコミット済み更新を回復可能にする
WALは、データベースの更新をディスクへ反映するより先に、その更新のログを確実にログファイルへ書き出す規約である。これによりDBMSが異常終了しても、コミット済みでまだ反映されていない更新をログからロールフォワードして回復できる。
出典:平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
DBMSが取得するログに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:ロールフォワードに備えて、データベースの更新されたページに対する更新後情報を取得する。
要点:ロールフォワードは更新後情報、ロールバックは更新前情報
ロールフォワードは、バックアップ取得後の更新をログで再現して復旧する処理なので、更新後の内容を記録したログが必要になる。逆にトランザクションの取消し(ロールバック)では更新前の内容を使って元に戻す。目的によって更新前・更新後のどちらを使うかが決まる。
出典:令和2年度 10月試験 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
DBMSが取得するログに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:ロールフォワードに備えて、データベースの更新されたページに対する更新後情報を取得する。
要点:更新前ログはロールバック、更新後ログはロールフォワード
更新前情報(更新前ログ)はトランザクションを取り消すロールバックに使い、更新後情報(更新後ログ)は媒体障害からバックアップを復元した後に更新を再現するロールフォワードに使う。したがってロールフォワードに備えて更新後情報を取得する、とするエが正しい。
出典:令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(IPA)
データベースのREDOのべき等(idempotent)の説明として、適切なものはどれか。
正解:REDOを繰返し実行しても、正常終了するときには1回実行したときと同じデータの状態になること
要点:べき等とは何度実行しても結果が1回分と変わらない性質
べき等とは、同じ操作を何度繰り返しても結果が1回だけ行ったときと変わらない性質をいう。REDOがべき等であれば、回復処理の途中でさらに障害が起きて最初からやり直しても、同じログを二重に適用してしまう心配がない。よってイが正しい。
出典:令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
a〜cそれぞれの障害に対して、DBMSはロールフォワード又はロールバックを行い回復を図る。適切な回復手法の組合せはどれか。 a デッドロックによるトランザクショ…
正解:a=ロールバック, b=ロールフォワード又はロールバック, c=ロールフォワード
要点:トランザクション障害は戻し、媒体障害は進めて回復する
デッドロックで打ち切られたトランザクションは、開始前の状態へ戻すロールバックで回復する。システム障害では、コミット済みのものはログから再現するロールフォワード、未完了のものはロールバックと使い分ける。媒体障害はバックアップを復元したうえで更新後ログを適用するロールフォワードで回復する。この組合せはイである。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。