サービスマネジメントシステム(SMS)とは?さーびすまねじめんとしすてむ
サービスマネジメントシステム(SMS)とは、サービスマネジメントの方針・目標・プロセス・資源・役割を体系化し、PDCAで継続的に改善していくマネジメントシステム。ISO/IEC 20000が要求するのはこのSMSであり、ITILが示すのは個々のプロセスの実践知という関係になる。SMSの下にインシデント管理・問題管理・変更管理・サービスレベル管理といったプロセスが束ねられ、SLAで合意した水準を満たし続けるための土台になる。認証の対象になるのは個々のツールや担当者ではなく、このマネジメントシステムそのものである。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
インシデント管理だけを整えても、変更管理が甘ければ同種の障害は再生産され、部分最適の改善は頭打ちになる。個々のプロセスの上に方針・目標・資源・役割・改善サイクルを載せた器を定義し、外部から監査できる形にしたのがSMSで、ISO/IEC 20000はこの器に対して要求事項を置いている。背景には、サービス品質を「担当者の頑張り」ではなく「組織として説明できるもの」にしなければ、顧客にも監査人にも根拠を示せないという事情がある。
具体例
Amazon Web Servicesは各サービスのSLAと稼働状況ダッシュボードを公開し、障害の検知・利用者への告知・復旧・事後の再発防止までを定められた手順で回している。目標値の設定、実績の公開、レビューによる手順の改訂という一連の枠組みがSMSに相当し、個々の監視基盤はその中の資源にすぎない。
試験での引っ掛け
SMSとサービスマネジメントの各プロセスを同列に並べると誤る。SMSは器(マネジメントの枠組み)で、インシデント管理などはその中身。ISO/IEC 20000(要求事項の規格)とITIL(実践のガイド)の役割を逆に答えさせる設問も定番で、認証を受けられるのは前者に対してである。記述式では「なぜ製品導入だけでは要求を満たさないか」を、方針・役割・改善サイクルが欠ける点から言えるようにしておく。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55(IPA)
JIS Q 20000-1は、サービスマネジメントシステム(SMS)及びサービスのあらゆる場面でPDCA方法論の適用を要求している。SMSの実行(Do)の説明は…
正解:サービスの設計、移行、提供及び改善のためにSMSを導入し、運用する。
要点:SMSの実行段階はSMSの導入と運用にあたる
JIS Q 20000-1のPDCAでは、計画(Plan)でSMSを確立して文書化し合意し、実行(Do)でそのSMSを導入して運用します。実行段階の目的は、サービスの設計・移行・提供・改善を実際に回すことです。監視や測定、レビューと報告は点検(Check)、改善のための処置は処置(Act)に対応します。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問55(IPA)
JIS Q 20000-1:2012(サービスマネジメントシステム要求事項)は、サービスマネジメントシステム(以下、SMSという)及びサービスのあらゆる場面でP…
正解:サービスの設計、移行、提供及び改善のためにSMSを導入し、運用する。
要点:SMSのDoはSMSを導入して運用する段階
JIS Q 20000-1におけるPDCAでは、計画(Plan)でSMSを確立・文書化・合意し、実行(Do)でSMSを導入して運用する。運用の対象はサービスの設計・移行・提供・改善であり、点検(Check)が監視・測定・レビューと報告、処置(Act)が継続的改善のための処置に当たる。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問56(IPA)
JIS Q 20000-2:2013(サービスマネジメントシステムの適用の手引)によれば、構成管理プロセスの活動として、適切なものはどれか。
正解:構成品目の特定、管理、記録、追跡、報告及び検証、並びにCMDBでのCI情報の管理
要点:構成管理はCIを識別しCMDBで最新状態に保つ
構成管理プロセスは、構成品目(CI)を特定し、その情報を管理・記録・追跡・報告・検証し、構成管理データベース(CMDB)で最新の状態に保つことを活動とする。費用計算は財務管理、配付はリリース及び展開管理、変更要求の管理は変更管理と、それぞれ別のプロセスの活動である。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
サービスマネジメントシステムにおける問題管理の活動のうち、適切なものはどれか。
正解:問題を特定するために、インシデントのデータ及び傾向を分析する。
要点:問題管理はインシデントの傾向分析から根本原因を突き止める
問題管理の目的はインシデントの根本原因を突き止め、再発を防ぐことである。そのためにインシデントの記録やその傾向を分析し、背後にある問題を特定する活動が中心となる。原因が判明しても恒久対策がすぐ取れない場合は既知の誤りとして記録し、回避策とともに管理し続ける。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55(IPA)
サービスマネジメントシステム(SMS)における是正処置の説明はどれか。
正解:検出された不適合又はほかの望ましくない状況の原因を除去する、又は再発の起こりやすさを低減するための処置
要点:是正処置は不適合の原因を除去し再発を防ぐ処置
是正処置は、検出された不適合やその他の望ましくない状況について、その原因を取り除き、再発の起こりやすさを低減するために行う処置である。表面的な事象を元に戻すだけでなく、原因に踏み込む点が特徴である。継続的改善や問題管理の一連の活動とは目的も範囲も異なる。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 1. サービスマネジメント > (2) サービスマネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。