ERM(全社的リスクマネジメント)とは?ぜんしゃてきりすくまねじめんと
ERM(全社的リスクマネジメント)とは、部門ごとに個別管理していたリスクを、経営戦略と目標に結び付けて全社横断で一元的に扱う枠組み。損失の回避だけでなく「どこまでリスクを取るか」というリスク選好を経営として定め、その範囲内で事業判断を行う点に特徴がある。
最終更新:2026-10-06
ITストラテジストを最短で暗記・合格する →背景
リスクを部門ごとに管理すると、各部門が自部門の最適だけを見て回避へ寄り、全社では取るべき事業機会まで潰れる。逆に、一部門では小さく見えるリスクが他部門のリスクと重なって致命傷になることも見えない。全社で合算して経営が取捨を決めるための枠組みがERMで、経営会議では「リスク管理部門の仕事ではなく、経営が判断するための情報の集め方」と説明する。
具体例
東京海上ホールディングスなど金融機関が開示するERM体制では、事業ごとのリスク量を保有資本と対比し、資本の範囲内でどこへ配分するかを決める形をとる。事業会社でも、円安が調達費と海外売上に同時に効くことを一枚に集めると、部門別には相殺されていたはずの為替の偏りが全社では残っていたと分かり、ヘッジ方針を全社で決め直す判断につながる。
試験での引っ掛け
内部統制の枠組みと混同されやすいが、ERMは統制の適正性だけでなく戦略上のリスクテイクまで扱う。またリスクをゼロに近づける活動と読むのも誤りで、取る・取らないを決める仕組みである。リスク一覧を作って報告することが目的化すると、選好の設定という中核が抜け落ちる。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。