全社統制・業務処理統制(IT全般統制・IT業務処理統制)とは?ぜんしゃとうせい・ぎょうむしょりとうせい
全社統制・業務処理統制(IT全般統制・IT業務処理統制)とは、内部統制を効く範囲で分けた区分。全社統制は規程や承認体系のように組織全体へ及ぶ仕組み、業務処理統制は個々の取引処理に埋め込まれたチェックを指す。ITでは入力検査や自動計算がIT業務処理統制、開発・変更・運用・アクセス管理の基盤がIT全般統制にあたる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
財務報告の信頼性が問われた経緯から、日本では金融商品取引法の内部統制報告制度が始まり、システムに依存した処理も評価の対象に入った。個々のチェックが正しく働くかは、そのシステムが正しく開発・変更・運用されているかに左右される。だから基盤側を切り出して別に評価する構成になっている。支援士にとっては、アクセス権の管理が全般統制として評価される点が接点になる。
具体例
会計システムで発注金額に上限を設け、超過時に警告して承認へ回すのはIT業務処理統制。SAP S/4HANAのような基幹システムで、権限マスタの変更を人事異動と連動させ、開発環境から本番への移送を承認制にする運用はIT全般統制にあたる。
試験での引っ掛け
IT全般統制は個々の取引を直接検査しない。基盤が弱ければ、業務処理統制がどれだけ設計されていてもその結果を信用できなくなるという依存の向きが問われる。全社統制とIT全般統制の混同も定番。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和4年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問25(IPA)
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”におけるアクセス管理に関して、内部統制のうちのITに係る業務処理統制に該当するものはど…
正解:組織内のアプリケーションシステムに、業務内容に応じた権限を付与した利用者IDとパスワードによって認証する機能を設ける。
要点:個別アプリに組み込む権限制御はIT業務処理統制
IT統制は、システム全体の管理体制を支えるIT全般統制と、個々の業務処理の正確性・網羅性を確保するIT業務処理統制に分けられる。個別のアプリケーションに、業務内容に応じた権限を与えた利用者IDとパスワードで認証させる機能を組み込むことは、その業務処理そのものに埋め込まれた統制なのでIT業務処理統制に当たる。規程の整備や教育といった組織横断の取組はIT全般統制の側である。
出典:令和6年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問25(IPA)
アクセス管理に関する内部統制のうち,金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和5年)”におけるITに係る業務処理統制に該当するものはどれ…
正解:組織内のアプリケーションシステムに,利用者IDとパスワードによって利用者を認証する機能を設ける。
要点:業務処理統制はアプリに組み込まれた個別業務の統制
ITに係る業務処理統制は、個々の業務を処理するアプリケーションシステムに組み込まれ、その処理が正確かつ網羅的に行われることを確保する統制である。アプリケーションに利用者IDとパスワードによる認証機能を実装することは、そのシステムでの処理を正当な利用者に限る仕組みであり、業務処理統制に該当する。規程の整備や教育といった全社的・基盤的な取組みはIT全般統制などに区分される。
出典:令和6年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問25(IPA)解説で登場
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和5年)”における、ITに係る全般統制に該当するものとして、最も適切なものはどれか。
正解:システムの開発、保守に係る管理
要点:開発保守や運用の管理はIT全般統制、個別処理は業務処理統制
IT全般統制は、個々の業務処理統制が有効に機能する環境を支える統制で、システムの開発・保守の管理、運用・管理、内外からのアクセス管理、外部委託の管理などが該当する。これに対し、入力データの正確性の確保やマスタの維持管理、例外処理の修正と再処理は、個別の業務処理に組み込まれたIT業務処理統制である。どちらに属するかは、対象が個々の処理か、それを支える基盤かで判断する。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。