機能要件とは?きのうようけん
機能要件は、新しいシステムに求めることのうち、「システムが何をするか」(どんな処理をし、どんなデータを扱い、どんな画面や帳票を出すか)を決めたもの。これに対し、処理の速さ、止まりにくさ、安全性、使いやすさのように「どのくらいの質で動くか」を決めたものを非機能要件という。どちらも、何を作るかを決める要件定義の工程で定め、発注者と開発者の間で合意する。ITパスポートでは、示された条件が機能要件と非機能要件のどちらにあたるか、またそれをどの工程で決めるかが問われる。
最終更新:2026-10-10
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発注する側が「便利な経費精算システムがほしい」とだけ伝えると、作る側の解釈で作られ、完成してから「この処理ができない」「画面が遅すぎる」ともめる。しかも、遅さや止まりやすさは、書いておかなければ約束していないのと同じ扱いになる。そこで、システムがやること(機能)と、その質の条件(非機能)を分けて、作り始める前に文書で決めておく決まりになった。
具体例
経費精算のシステムを導入するとき、「領収書をスマートフォンで撮影して申請できる」「上司が承認すると経理部に回る」「交通費の経路と金額を自動で計算する」は機能要件。「画面は3秒以内に表示する」「月末の締め日に全社員が同時に使っても止まらない」「社外からはスマートフォンの顔認証でログインする」は非機能要件にあたる。freeeやマネーフォワードなどの製品を比べるときも、この2つに分けて条件を書き出す。
試験での引っ掛け
応答時間(何秒で返るか)、稼働率(止まらずに動いている時間の割合)、セキュリティの強さ、使いやすさは、どれも非機能要件であって機能要件ではない。また、機能要件・非機能要件を決めるのは要件定義の工程で、その前の企画(システム化計画。なぜ作るか・費用と効果を決める)や、その後の設計の工程ではない。移行の手順や日程は移行計画書に書く事項で、機能要件とは別である。
関連用語
出た過去問
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問47(IPA)解説で登場
現行システムを新システムに切り替えるに当たり、現行システムから新システムに移行すべきデータ、移行に必要な資源などを整理して、移行計画書を作成した。移行計画書に含…
正解:新システムに切り替えるためのスケジュール及び体制
要点:移行計画書には切替えの手順・日程・体制を書く
移行計画書は、現行システムから新システムへ切り替える作業そのものを計画する文書である。移行の方式、対象データ、作業のスケジュール、実施体制と役割分担、切り戻しの手順などを定める。機能要件や操作手順は別の文書で扱う。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問29(IPA)解説で登場
企画プロセス,要件定義プロセス,開発プロセス,保守プロセスと続くソフトウェアライフサイクルにおいて,企画プロセスの段階で行う作業として,適切なものはどれか。
正解:経営上のニーズと課題の確認
要点:企画プロセスは経営ニーズと課題の確認から始まる
共通フレームでは、企画プロセスは経営上のニーズや課題を確認し、それを解決するためのシステム化の構想と計画を立てる段階と位置付けられる。何を作るかを詳細に決める前に「なぜ作るのか」を明らかにする工程である。機能要件や非機能要件の定義は要件定義プロセス、システム方式やソフトウェア方式の設計は開発プロセスの作業にあたる。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問33(IPA)解説で登場
現在5分程度掛かっている顧客検索を,次期システムでは1分以下で完了するようにしたい。この目標を設定する適切な工程はどれか。
正解:システム要件定義
要点:応答時間などの性能目標は要件定義で決める非機能要件
応答時間や処理時間といった性能に関する目標は、システムに求める性質を決める非機能要件であり、システム要件定義の工程で定める。要件として先に定義しておくことで、設計はその目標を満たすように行われ、テストでは達成できたかを検証できる。設計やテストの段階で初めて目標を持ち出すのでは順序が逆になる。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問44(IPA)解説で登場
システム開発において,システムテストで検証する内容として,適切なものはどれか。
正解:端末から行う照会処理の応答時間を検証する。
要点:システムテストは全体で機能・性能要件を満たすか確認する
システムテストは、ハードウェアやネットワークを含めたシステム全体を対象に、要件定義で定めた機能と性能を満たしているかを確認する工程である。応答時間のような非機能要件の検証はここで行う。プログラム間のインタフェース確認は結合テスト、命令や分岐に着目した内部構造の検証は単体テスト(ホワイトボックステスト)の領域である。
出典:平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問31(IPA)解説で登場
システムが実現すべき応答時間などのシステムの品質を明確にする工程として、適切なものはどれか。
正解:システム要件定義
要点:応答時間などの非機能要件はシステム要件定義で決める
応答時間や稼働率などの品質に関する要求は非機能要件と呼ばれ、システムが備えるべき性質としてシステム要件定義の段階で明確にする。ここで数値目標を定めておくことで、後の設計方針が決まり、テスト時に合否を判定する基準にもなる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。