システム要件とは?しすてむようけん
システム要件とは、業務でやりたいこと(業務要件)を受けて、それを実現するためにシステムが備えるべき条件を整理したもの。何ができるか(機能要件)と、どれだけ速く・止まらず・安全かといった機能以外の条件(非機能要件)に分けて文書にまとめる。これが開発の契約内容と、納品時に利用者が納品物を確かめる受入れテストの判定基準になる。試験では業務要件→システム要件→ソフトウェア要件の順に具体化されることが問われる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
「もっと使いやすく」「今より速く」といった言葉のまま開発を始めると、完成してから「思っていたものと違う」となり、作り直しの費用を発注側と開発側のどちらが持つかで揉めることになる。そこで、やりたいことを測れる形の条件(応答3秒以内、稼働率99.5%など)に書き直し、同じ文書で合意してから作るという手順が定着した。
具体例
ヤマト運輸の荷物追跡のようなサービスなら、「送り状番号を入れると荷物の現在地が分かる」が機能要件、「年末の繁忙期に照会が集中しても3秒以内に返す」「年末年始も止めない」が非機能要件にあたる。後者を書き忘れると、動くけれど繁忙期には使えないシステムが納品されてしまう。
試験での引っ掛け
機能要件と非機能要件の振り分けが定番で、性能・可用性(止まらず使えること)・セキュリティ・拡張性(あとから利用者や機能を増やしやすいこと)は非機能要件のほう。またシステム要件を決める責任は利用者(発注者)側にあり、「開発を頼んだ会社が決めてくれるもの」ではない。業務要件(業務のやり方をどう変えるか)とシステム要件(システムに何をさせるか)を同じものとして扱う選択肢にも注意する。
関連用語
出た過去問
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問29(IPA)
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問32(IPA)
あるシステムの開発において、システムを24時間連続稼働させることになった。稼働時間について利用部門と取決めを行う工程はどれか。
正解:システム要件定義
要点:稼働時間などの要件はシステム要件定義で利用部門と合意
稼働時間や応答性能、可用性といった、システムが満たすべき条件は、開発に入る前のシステム要件定義で利用部門と合意しておく必要がある。後工程の設計やテストは、この段階で定めた要件を実現し検証する工程であり、要件そのものを取り決める場ではない。
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問41(IPA)
システム開発プロセスには、システム要件定義、システム方式設計、ソフトウェア方式設計、ソフトウェア詳細設計などがある。システム方式設計において実施する作業として、…
正解:システムのハードウェア構成、ソフトウェア構成を明確にする。
要点:システム方式設計はシステム全体の構成を決める工程
システム方式設計は、システム要件をハードウェア・ソフトウェア・手作業のどれで実現するかを振り分け、システム全体の構成を決める工程である。機能や性能・信頼性を「何を実現するか」として定めるのは要件定義、画面の詳細を決めるのはより後の設計工程になる。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問36(IPA)
合意済みのシステム要件に対し、機能追加となる変更依頼を顧客から受けた。このときの受託側の対応として、適切なものはどれか。
正解:決定権をもつ会議や責任者が、変更を行うかどうかを判断する。
要点:要件変更は権限をもつ会議・責任者が承認する
いったん合意した要件に対する変更は、費用・納期・品質のすべてに影響するため、個人の判断ではなく変更管理の手続に沿って処理する。影響を評価したうえで、決定権をもつ会議体や責任者が承認するかどうかを決めるのが適切な進め方である。担当者レベルで受け入れてしまうと、範囲の際限ない膨張につながる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。