刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)とは?
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)とは、刑法に置かれたコンピュータ関連の犯罪類型。正当な理由なくマルウェアを作成・提供・供用・取得・保管する不正指令電磁的記録に関する罪のほか、電子計算機損壊等業務妨害罪、電子計算機使用詐欺罪、電磁的記録不正作出罪などが定められている。
ITパスポートの過去問では5回出題されています(2017年度〜2025年度)。
けいほうのさいばーはんざいかんれんきてい
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)の意味
刑法に置かれたコンピュータ関連の犯罪類型。正当な理由なくマルウェアを作成・提供・供用・取得・保管する不正指令電磁的記録に関する罪のほか、電子計算機損壊等業務妨害罪、電子計算機使用詐欺罪、電磁的記録不正作出罪などが定められている。
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)の具体例
業務システムのデータを暗号化して停止させたランサムウェアの事案では、感染させた行為が電子計算機損壊等業務妨害罪に、検体を無断で配布した行為が不正指令電磁的記録提供罪に当たり得る。オンラインバンキングの残高データを不正に書き換えて利益を得れば、対人の詐欺ではなく電子計算機使用詐欺罪になる。研究目的の検体保管でも管理体制が問われる。
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)は試験でどう引っ掛けられる?
「正当な理由がないのに」が要件であるため、防御研究や解析業務での取扱いが直ちに犯罪となるわけではない。バグのあるプログラムを公開しただけでも、意図に反する動作をさせる目的が無ければ該当しない。逆に「実害が出て初めて犯罪」でもなく、その目的での作成・保管は感染させていなくても成立しうる。要点は行為の性質から法律を選び分けることで、他人のIDでのログインは不正アクセス禁止法、データの改ざんや業務妨害は刑法、DoSによる停止は電子計算機損壊等業務妨害罪の領域になる。
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)と関連する用語
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)が出た過去問
不適切な行為a~cのうち,不正アクセス禁止法において規制されている行為だけを全て挙げたものはどれか。 a 他人の電子メールの利用者IDとパスワードを,正当な理由…
正解:a, b
要点:不正アクセス禁止法はID無断使用と識別符号の提供を規制
不正アクセス禁止法は、他人の識別符号を無断で使ってネットワーク経由でコンピュータを利用する行為(不正アクセス)と、識別符号を正当な理由なく第三者に提供する行為(助長行為)などを規制する。一方、ウイルスの作成そのものは刑法の不正指令電磁的記録に関する罪で扱われ、同法の規制対象ではない。
出典:平成29年度 春期 ITパスポート試験 問15(IPA)刑法には、コンピュータや電磁的記録を対象としたIT関連の行為を規制する条項がある。次の不適切な行為のうち、不正指令電磁的記録に関する罪に抵触する可能性があるもの…
正解:正当な理由なく、他人のコンピュータの誤動作を引き起こすウイルスを収集し、自宅のPCに保管した。
要点:ウイルスは正当な理由なく保管するだけでも罪に問われ得る
不正指令電磁的記録に関する罪、いわゆるウイルス作成罪は、コンピュータを意図に反して動作させる不正な指令を与えるプログラムを、正当な理由なく作成・提供・供用・取得・保管する行為を処罰する。実際に感染させたかどうかにかかわらず、正当な理由なく手元に集めて保管しているだけでも該当し得る点が特徴である。
出典:令和1年度 春期 ITパスポート試験 問24(IPA)公開することが不適切なWebサイトa〜cのうち、不正アクセス禁止法の規制対象に該当するものだけを全て挙げたものはどれか。 a スマートフォンからメールアドレスを…
正解:b
要点:不正アクセス禁止法はフィッシングも規制対象とする
不正アクセス禁止法は、他人のIDやパスワードといった識別符号を無断で使ってアクセスする行為のほか、識別符号の不正取得・保管・提供、そして正規のサイトと誤認させて利用者に識別符号を入力させる行為(いわゆるフィッシング)を禁じている。したがって偽サイトでID・パスワードの入力を求める行為が規制対象にあたる。ウイルス配布は刑法の不正指令電磁的記録に関する罪、健康情報の無断公開は個人情報保護法の問題である。
出典:令和1年度 春期 ITパスポート試験 問29(IPA)不適切な行為a~cのうち,不正アクセス禁止法において規制されている行為だけを全て挙げたものはどれか。 a 他人の電子メールの利用者IDとパスワードを,正当な理由…
正解:a, b
要点:不正アクセス禁止法はなりすまし利用とID提供の助長を禁じる
不正アクセス禁止法は、他人の識別符号を無断で使ってネットワーク経由でシステムを利用する不正アクセス行為に加え、ID・パスワードを正当な理由なく第三者に提供する助長行為も禁じています。したがってaとbが該当します。cのようなマルウェアの作成は不正指令電磁的記録に関する罪など別の規定で扱われ、この法律の規制対象ではありません。
出典:令和4年度 秋期 ITパスポート試験 問9(IPA)他人の電子メールの利用者IDとパスワードの取扱いに関する記述のうち、不正アクセス禁止法で規制されている行為だけを全て挙げたものはどれか。 a 正当な理由なく本人…
正解:a, c
要点:ID・パスワードの無断提供も不正アクセス禁止法の対象
不正アクセス禁止法が禁じるのは、他人の識別符号を無断で使ってアクセスする不正アクセス行為のほか、識別符号を正当な理由なく第三者へ提供する助長行為、不正取得、不正保管、フィッシングなどである。よってaとcは同法の規制対象となる。一方、マルウェアの作成は刑法の不正指令電磁的記録に関する罪で扱われ、同法の対象ではない。
出典:令和7年度 秋期 ITパスポート試験 問16(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。