暗号化とは?あんごうか
暗号化とは、読める状態のデータ(平文)を、鍵を持たない第三者には意味が読み取れないデータ(暗号文)に変換すること。元に戻すことを復号といい、正しい鍵を持つ相手だけが行える。暗号化と復号に同じ鍵を使う共通鍵暗号方式と、公開鍵で暗号化して秘密鍵で復号する公開鍵暗号方式があり、両者を組み合わせたものをハイブリッド暗号方式という。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
紙の書類なら封筒に入れて鍵のかかる引き出しにしまえたが、社内の回線やインターネットを通る電子データは、途中の経路で誰かに読み取られても持ち主には気づけない。かといって、通る経路すべてを他人が触れない造りにするのは費用の面で現実的でない。そこで「経路は覗かれる前提で、中身の方を読めなくする」という発想が採られた。これが暗号化で、試験では無線LANの保護やネット通販の通信など、利用者として設定・確認する場面と結びつけて問われる。
具体例
銀行のインターネットバンキングでブラウザのアドレス欄に鍵マークが出るのは、HTTPS(TLSという暗号化の約束ごとを使ったWebの通信)によって通信が暗号化されている印である。途中の通信経路を流れているのは暗号文なので、口座番号や暗証番号を盗み見られても内容は読み取れない。
試験での引っ掛け
守れるのは「中身を読まれない」=機密性だけ。改ざんされていないこと(完全性)や送信者が本人であること(真正性)までは保証せず、そこはハッシュ値(元に戻せない要約値)やデジタル署名(電子的な印鑑)の役目という切り分けが問われる。またファイルを暗号化しても、解除用のパスワードを同じメールで送ってしまえば意味がない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問20(IPA)
ICカードと磁気カードの偽造に対する安全性の比較に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:ICカードは、ICチップへの情報の格納や情報の暗号化を行っているので、磁気カードに比べて偽造されにくい。
要点:ICカードはチップ内の暗号化と保護機構で複製されにくい
ICカードはカード内にICチップを搭載し、情報を暗号化して保持したうえ、チップ内部で演算や認証を行える。データを外部から単純に読み出したり複製したりすることが難しいため、磁気ストライプに情報をそのまま記録する磁気カードより偽造されにくい。磁気カードは記録内容を読み取り機で容易に複写できる点が弱点である。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問62(IPA)
小文字の英字からなる文字列の暗号化を考える。次表で英字を文字番号に変換し、変換後の文字番号について1文字目分には1を、2文字目分には2を、…、n文字目分にはnを…
正解:sky
要点:位置ごとに加算する暗号は同じ数を引けば復号できる
暗号化では文字番号にその位置の数を加えているので、復号は逆に位置の数を引けばよい。tは20、mは13、bは2なので、それぞれ1、2、3を引いて19、11、25となる。表に照らすとs、k、yとなり、元の文字列はskyである。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問74(IPA)
データの送信側は受信者の公開鍵で暗号化し、受信側は自身の秘密鍵で復号することによって実現できる対策はどれか。
正解:通信経路上でのデータの盗聴防止
要点:受信者の公開鍵で暗号化すれば本人だけが読め盗聴を防げる
受信者の公開鍵で暗号化すると、対応する秘密鍵を持つ受信者だけが復号できる。したがって通信経路の途中で内容を取得されても読み取れず、盗聴への対策となる。送信者が本人であることの証明は、送信者自身の秘密鍵で署名するディジタル署名の役割であり、鍵の使い方が逆になる。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問77(IPA)
暗号化に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:公開鍵暗号方式では、暗号化のための鍵と平文に戻すための鍵が異なる。
要点:公開鍵暗号は暗号化用と復号用で対になる別々の鍵を使う
公開鍵暗号方式では、暗号化に使う鍵(公開鍵)と復号に使う鍵(秘密鍵)が対になった別々の鍵であり、公開鍵を配っても秘密鍵がなければ復号できない点が特徴である。共通鍵暗号方式は暗号化と復号に同じ鍵を使うため、その鍵を暗号文と一緒に送っては意味がなく、安全な別経路での受渡しが必要になる。復号を「リセット」とは呼ばず、電子署名には公開鍵暗号の技術が使われる。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問86(IPA)解説で登場
ディジタル署名に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:データの改ざんが検知できる。
要点:ディジタル署名は改ざん検知と本人確認、盗聴防止はしない
ディジタル署名は、送信者が自分の秘密鍵で文書のハッシュ値を暗号化して付け、受信者が送信者の公開鍵で検証する仕組みである。受信側で計算したハッシュ値と一致しなければ内容が変わったと分かるため、改ざんの検知と送信者のなりすまし防止(否認防止)ができる。ただし本文自体は暗号化されないため、盗聴の防止はできない。
出典・参考
公式シラバスの9 技術要素 > 63. 情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術 > (2) 暗号技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。