共通鍵暗号方式とは?きょうつうかぎあんごうほうしき
共通鍵暗号方式とは、暗号化と復号(暗号を元に戻すこと)に同じ1つの鍵を使う暗号方式。計算が軽く大量のデータを高速に扱えるが、送り手と受け手が事前に同じ鍵を安全に共有しておく必要がある。通信する相手ごとに別の鍵を使うので、n人の全員がそれぞれ別の鍵を持ち合うときは、2人の組合せの数だけ鍵が要り、n(n−1)/2個になる(例:4人なら4×3÷2=6個)。人数が増えるほど鍵の管理と配布の負担が急に重くなる。
最終更新:2026-10-10
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暗号そのものは古くからあるが、離れた相手と使うには「鍵をどうやって安全に渡すか」という問題が残る。鍵を盗み見られる経路で送れば暗号の意味がなくなり、かといって相手ごとに直接会って渡すのは現実的でない。この鍵配送の問題を解くために公開鍵暗号方式が生まれ、いまは両者を組み合わせて使うのが標準になった。ITパスポートでは、この2方式の使い分けとして問われる。
具体例
ブラウザで鍵マークの付いたサイトと通信するとき、最初に共通鍵を公開鍵暗号で安全に相手へ渡し、それ以降の本文のやり取りは速い共通鍵暗号で行っている。このように2方式を組み合わせる使い方をハイブリッド暗号方式という。無線LANの通信を暗号化するWPA2という規格や、ファイルにパスワードをかけて圧縮する機能も共通鍵暗号方式にあたる。
試験での引っ掛け
鍵の数と役割の取り違えが出題点。共通鍵暗号方式は1つの鍵で暗号化も復号も行い、公開鍵暗号方式は対になる2つの鍵を使い分ける。「秘密鍵」という言葉は公開鍵方式の片方も指すため、文中でどちらの方式の話かを確かめること。また共通鍵は同じ鍵を持つ者どうしで共有するので、どちらか一方から漏れれば、その鍵を使った通信はすべて読まれる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問77(IPA)解説で登場
暗号化に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:公開鍵暗号方式では、暗号化のための鍵と平文に戻すための鍵が異なる。
要点:公開鍵暗号は暗号化用と復号用で対になる別々の鍵を使う
公開鍵暗号方式では、暗号化に使う鍵(公開鍵)と復号に使う鍵(秘密鍵)が対になった別々の鍵であり、公開鍵を配っても秘密鍵がなければ復号できない点が特徴である。共通鍵暗号方式は暗号化と復号に同じ鍵を使うため、その鍵を暗号文と一緒に送っては意味がなく、安全な別経路での受渡しが必要になる。復号を「リセット」とは呼ばず、電子署名には公開鍵暗号の技術が使われる。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問70(IPA)
共通鍵暗号方式では通信の組合せごとに鍵が1個必要となる。例えばA〜Dの4人が相互に通信を行う場合は、AB、AC、AD、BC、BD、CDの組合せの6個の鍵が必要で…
正解:45
要点:共通鍵はn人ならn(n-1)/2個必要になる
必要な鍵の数は、人数から2人を選ぶ組合せの数に等しい。10人の場合は10×9÷2=45個となる。4人で6個だった関係と同じ計算式であり、人数が増えると鍵の数はおよそ2乗に比例して急増する点が共通鍵暗号方式の弱点になる。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問84(IPA)
暗号化又は復号で使用する鍵a〜cのうち,第三者に漏れないように管理すべき鍵だけを全て挙げたものはどれか。 a 共通鍵暗号方式の共通鍵 b 公開鍵暗号方式の公開鍵…
正解:a, c
要点:秘匿すべきは共通鍵と秘密鍵、公開鍵は配ってよい
共通鍵暗号方式では、暗号化と復号に同じ鍵を使うため、この鍵が漏れると誰でも内容を復号できてしまう。公開鍵暗号方式では、公開鍵は広く配布することを前提とした鍵なので秘匿の必要がなく、対になる秘密鍵だけを厳重に管理する。したがって秘匿すべきはaとcである。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問76(IPA)
共通鍵暗号方式では通信の組合せごとに鍵が1個必要となる。例えばA〜Dの4人が相互に通信を行う場合は、AB, AC, AD, BC, BD, CDの組合せの6個の…
正解:28
要点:共通鍵はn人ならn(n−1)÷2個必要で急増する
共通鍵暗号方式では、2者の組合せごとに鍵が1つ必要になるため、n人ならn(n−1)÷2個の鍵が要る。8人の場合は8×7÷2=28個となる。人数が増えると鍵の数が急増するのが、この方式の管理上の弱点である。
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問77(IPA)
暗号化通信で使用する鍵a〜cのうち、セキュリティ上、第三者に知られてはいけないものだけを全て挙げたものはどれか。 a 共通鍵暗号方式の共通鍵 b 公開鍵暗号方式…
正解:a, c
要点:秘匿すべきは共通鍵と秘密鍵、公開鍵は公開してよい
共通鍵暗号方式では、暗号化と復号に同じ鍵を使うため、その鍵が漏れれば内容を読まれてしまう。公開鍵暗号方式では、公開鍵は誰に知られてもよい前提で配布されるが、対になる秘密鍵が漏れると復号や署名の偽装が可能になる。したがって秘匿すべきは共通鍵と秘密鍵である。
出典・参考
公式シラバスの9 技術要素 > 63. 情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術 > (2) 暗号技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。