指揮命令とは?しきめいれい
指揮命令とは、業務の進め方や労働時間を具体的に指示し、労働者を従わせる権限。労働者派遣では、雇用契約を結ぶのは派遣元でありながら、指揮命令は派遣先が行う。この「雇用と指揮命令の分離」が、派遣を請負や委任と分ける決定的な違いになり、契約の形を判定する物差しとして使われる。
最終更新:2026-10-09
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働かせる関係は、本来は雇う側が指示も出す一対一の形だった。人手を柔軟に融通したいという需要が生まれても、指示だけを他社が出す形をそのまま認めると、賃金や安全衛生の責任者があいまいになり、労働者が不利益を受けやすい。そこで労働者派遣法は、雇用は派遣元・指揮命令は派遣先と役割を条文で分け、それぞれが負う責任を割り当てたうえで例外的に認めている。
具体例
パーソルテンプスタッフから派遣された社員が客先の事務所で働く場合、給与の支払いと社会保険は派遣元、その日の作業指示や残業の指示は派遣先が出す。一方、システム開発をNTTデータへ請負で発注した場合、発注者は開発担当者へ直接指示を出せない。
試験での引っ掛け
請負契約との取り違えが最頻出である。請負では注文者が受注者の労働者へ指揮命令できず、これを実質的に行えば偽装請負になる。受け入れた派遣労働者をさらに別の会社へ派遣させる二重派遣も禁止で、指揮命令を出す会社が契約上の派遣先と一致している必要がある。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問79(IPA)
図は、企業と労働者の関係を表している。企業Bと労働者Cの関係を表す記述として正しいものはどれか。
正解:“契約”が出向にかかわる契約で、企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき、企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。
要点:出向は出向先が指揮命令し、派遣の雇用関係は派遣元に残る
出向では、労働者は出向元との関係を保ちつつ出向先の指揮命令を受けて働くため、出向先である企業Bと労働者Cの間に指揮命令関係が生じる。請負では発注者が受託者の労働者へ直接命令することはできず、労働者派遣では派遣先に指揮命令権はあっても雇用関係は派遣元との間にしか生じない。
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問80(IPA)解説で登場
請負契約を締結していても,労働者派遣とみなされる受託者の行為はどれか。
正解:休暇取得の承認を発注者側の指示に従って行う。
要点:労務管理を発注者が行うと偽装請負とみなされる
請負契約では、受託者が自ら労働者を指揮命令し、労務管理も自身で行う必要がある。休暇取得の承認という労務管理上の判断を発注者の指示に従って行うと、発注者が受託者の労働者を直接指揮命令していることになり、実質的に労働者派遣(偽装請負)とみなされる。
出典:平成30年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問80(IPA)
労働者派遣法に基づく、派遣先企業と労働者との関係(図の太線部分)はどれか。
正解:指揮命令関係
要点:派遣先と労働者の間に生じるのは指揮命令関係のみ
労働者派遣では、雇用契約は派遣元企業と労働者の間にあり、派遣先企業と派遣元企業の間には労働者派遣契約が結ばれる。派遣先企業と労働者の間には雇用関係は生じず、業務上の指揮命令関係だけが生じる。
出典:令和4年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問60(IPA)
労働者派遣法に基づく、派遣先企業と労働者との関係(図の太線部分)はどれか。
正解:指揮命令関係
要点:派遣は雇用が派遣元、指揮命令が派遣先という三者関係
労働者派遣では、労働者と雇用契約を結ぶのは派遣元企業であり、派遣先企業とは雇用関係が生じない。しかし派遣先企業は、実際の業務について労働者に直接指示を出せる。したがって派遣先企業と労働者の間にあるのは指揮命令関係である。派遣元と派遣先の間は労働者派遣契約となる。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 3. 労働関連・取引関連法規 > (1) 労働関連の法規に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。