リスク移転とは?りすくいてん
リスク移転は、保険や契約によって、リスクが現実になったときの損失の負担を他者(保険会社や委託先など)に移すリスク対応である。リスク対応の4分類(回避・低減・移転・保有)の一つとして出題される。代表例は、保険に加入することと、業務を外部に委託して契約で損害の負担を取り決めることである。移るのは主にお金の負担で、リスクが起きる確率や起きたときの影響の大きさそのものは変わらない。また、委託しても委託元の責任や評判の低下までは移せない。
最終更新:2026-10-10
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火災や事故のように、めったに起きないが起きると自社だけでは負担しきれない損失は、昔から保険で多くの加入者に分散してきた。情報セキュリティでも、対策を重ねても防ぎきれない事故(標的型攻撃による漏えいなど)の損害賠償や復旧費用に備える手段が要る。そのため、リスクを「減らす」「やめる」「受け入れる」と並べて、「損失の負担を他者と分け合う」選択肢が独立に置かれている。
具体例
東京海上日動火災保険の「サイバーリスク保険」のようなサイバー保険に加入すると、情報漏えいが起きたときの損害賠償金や原因調査・お詫び対応の費用の一部を保険会社が負担する。これは損失の負担を保険会社に移すリスク移転である。ただし、保険に入っても攻撃を受ける確率は下がらず、漏えいした個人情報も戻らない。
試験での引っ掛け
保険への加入はリスク移転であり、リスク低減ではない(発生確率も影響度も下がらない。下がるのは自社が負担するお金だけ)。「保険に入る」をリスク保有と取り違えない——保有は対策をせず自社で受け入れること。業務を外部に委託しても、委託元の管理責任は残る(個人情報保護法は委託先の監督を委託元に求める)ので、「委託すればリスクも責任もなくなる」とする選択肢は誤り。シラバスの用語例には「リスク共有(リスク移転,リスク分散)」と並ぶため、損失の負担を他者と分け合う対応が「リスク共有」の名で問われることもある。プロジェクトマネジメントの分野では同じ考え方を「転嫁」と呼ぶ。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。