リスク回避とは?りすくかいひ
リスク回避は、リスクを生む活動そのものをやめる(始めない・撤退する・その手段を使わない)ことで、そのリスクの発生源をなくすリスク対応である。リスク対応の4分類(回避・低減・移転・保有)の一つで、リスクの発生確率や影響度を「下げる」のではなく、リスクにさらされる状態そのものから抜ける点がほかの3つと違う。活動をやめるので、その活動から得られたはずの便益も一緒に手放す。発生確率が高く影響も大きいのに、低減策では受け入れられる水準まで下げられないリスクに選ぶのが基本である。保険などでお金の流れを手当てするリスクファイナンシングに対し、回避は低減と並んでリスクそのものに手を打つリスクコントロールに分類される。
最終更新:2026-10-10
基本情報を最短で暗記・合格する →背景
どんな対策を重ねても損失が大きすぎる活動はある。リスク管理の用語の規格(ISO Guide 73、JIS Q 0073)は、リスク回避を「特定のリスクにさらされないよう、情報に基づいて、ある活動に関与しない、または活動から撤退すると決めること」と定めている。「対策する」以外に「そもそもやらない」という選択肢を明示しておかないと、割に合わない対策に費用をかけ続けることになるため、対応の選択肢の一つとして独立に置かれている。
具体例
サムスン電子は2023年、社員が社内のソースコードを生成AIのチャットに入力した件を受けて、会社のパソコン・スマートフォンや社内ネットワークでの生成AIの利用を禁止した。入力した内容が外部のサービスに渡るリスクに対し、「入力してよい内容のルールを決めて使い続ける」(低減)ではなく、「使わない」ことでリスクのもとを断ったので、リスク回避に当たる。代わりに、生成AIで作業を速くするという便益も手放している。
試験での引っ掛け
「活動を中止する・やめる・使わない」はリスク回避であって、リスク低減ではない。「やり方を変えて続ける」(暗号化する、権限を絞る、ルールを決める)は低減である。選択肢に「保険に入る」があればリスク移転、「対策をせずに受け入れる」があればリスク保有で、回避ではない。プロジェクトマネジメントの分野でも「回避」は同じ名前で出る(軽減・転嫁・受容と並ぶ)。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。