命令パイプラインとは?めいれいぱいぷらいん
命令パイプラインとは、1命令の実行をフェッチ・デコード・実行・メモリアクセス・書戻しといった段に分け、各段を別の命令が同時に流れるようにしてスループットを上げる方式。理想状態では1ピッチごとに1命令が完了し、D段でI命令なら所要は(I+D−1)ピッチになる。段数を増やすほど周波数は上げやすいが、分岐で捨てる仕事も増える。
最終更新:2026-10-06
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1命令を最初から最後まで通してから次に取りかかる構成では、演算器が動いている間フェッチ回路は遊び、フェッチ中は演算器が遊ぶ。回路は載っているのに常に一部しか働いていない——この無駄を、工場の流れ作業と同じ発想で埋めたのがパイプラインである。段数・分岐ペナルティ・割込み応答の確定性はトレードオフの関係にあり、組込みでは深いパイプラインが必ずしも得にならない。
具体例
Arm Cortex‑M0+は2段、Cortex‑M4は3段と浅く、割込み応答の読みやすさを優先している。一方でCortex‑Aやサーバ向けコアは十段以上まで深くして周波数を稼ぐ。同じ命令セットでも、用途によって段数の設計が分かれる。
試験での引っ掛け
1命令あたりのレイテンシは短くならない。速くなるのはスループットで、この取り違えが定番。段数を増やせば理想スループットは上がるが、ハザードと分岐予測失敗のペナルティも段数とともに増えるため、実効性能は段数に比例しない。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
パイプラインハザード対策に関する記述のうち、アウトオブオーダ実行方式を用いたものはどれか。
正解:演算に必要なデータがそろうまで実行が待たされている命令によって、後続の命令の実行が待たされることを防ぐために、既にデータがそろっている後続の命令があれば、それを先に実行する。
要点:アウトオブオーダ実行は準備できた命令から順に実行する
アウトオブオーダ実行は、命令をプログラム順に縛られず、オペランドがそろって実行可能になった命令から順に演算器へ投入する方式である。これにより、データ待ちで止まっている命令の後ろに並ぶ、実行可能な命令までもが待たされる事態を避けられる。結果は最終的に元の順序に戻して確定させるため、プログラムの意味は変わらない。
出典:令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
パイプラインの深さをD、パイプラインピッチをP秒とすると、I個の命令をパイプラインで実行するのに要する時間を表す式はどれか。ここで、パイプラインは1本だけとし、…
正解:(I+D-1)×P
要点:パイプラインの所要時間は(I+D-1)×ピッチ
パイプラインでは、最初の命令が全Dステージを通過し終えるまでにDピッチかかり、その後は1ピッチごとに1命令ずつ完了する。残るI-1命令はI-1ピッチで流れ出るので、総所要時間は(D+I-1)ピッチ、すなわち(I+D-1)×P秒となる。
出典:令和7年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)
パイプラインの深さをD、パイプラインピッチをP秒とすると、I個の命令をパイプラインで実行するのに要する時間を表す式はどれか。ここで、パイプラインは1本だけとし、…
正解:(I+D-1)×P
要点:パイプラインの所要時間は(I+D-1)×ピッチ
パイプラインでは、先頭の命令が全Dステージを通り抜けるのにDピッチかかり、以降は1ピッチごとに1命令ずつ完了していく。残るI-1個の命令はI-1ピッチで流れ出るので、合計は(D+I-1)ピッチ、すなわち(I+D-1)×P秒となる。
出典:令和7年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
パイプラインの性能を向上させるための技法の一つで、分岐条件の結果が決定する前に、分岐先を予測して命令を実行するものはどれか。
正解:投機実行
要点:投機実行は分岐結果の確定前に予測先を先行実行する
投機実行は、分岐条件の判定が確定する前に分岐先を予測し、その先の命令を先行して実行してしまう技法である。予測が当たればパイプラインを止めずに済み、外れた場合は先行実行の結果を破棄してやり直す。分岐によるパイプラインの乱れ(制御ハザード)を軽減する代表的な手法である。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの2 コンピュータシステム > 1. プロセッサ > (9) プロセッサの高速化技術に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。