状態遷移図とは?じょうたいせんいず
状態遷移図とは、システムが取りうる状態と、事象によってどの状態へ移るかを表した図。現在の状態と発生した事象の組合せで次の動作と遷移先が決まる仕様の記述に適し、組込み制御の仕様書で最もよく使われる。状態遷移表へ直すと、定義されていない組合せ(抜け)や矛盾を機械的に点検できるため、レビューと試験設計は表で行うのが定石になる。
最終更新:2026-10-06
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組込み機器の振る舞いは、同じボタンを押しても直前に何が起きていたかで結果が変わる。手順を上から並べた文章では、この履歴依存を書き切れず、読み手ごとに解釈が割れる。状態という一つの変数へ履歴を畳み込み、事象との組合せで次が一意に決まる形へ落としたのが状態遷移モデルで、UMLのステートマシン図もこの系譜にある。ESの論述では、この図か表で仕様を示せることが記述の土台になる。
具体例
電池駆動の計測端末なら、待機→計測→送信→待機を、開始ボタン押下・計測完了・送信完了という事象で結ぶ。状態4×事象3の表を作れば、送信中に開始ボタンが押されたらどうするかといった未定義の升目がそのまま可視化される。
試験での引っ掛け
遷移経路の数を数える設問では、自己遷移(同じ状態へ戻る遷移)を数えるかどうかで答えが変わるため、問題文の定義を必ず確認する。また状態遷移図はどの状態でどう動くかを表すものであり、処理の手順を表すフローチャートやアクティビティ図とは目的が違う。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問23(IPA)
通信プロトコルの記述などに使用される表記法であり、事象の発生と、そのときの状態に応じたシステムの動作を記述するのに、最も適したものはどれか。
正解:状態遷移図
要点:状態と事象で動作が決まる仕様は状態遷移図で表す
通信プロトコルは、いま自分がどの状態にあるかによって、同じ受信事象に対する振る舞いが変わる。状態遷移図は、状態を節点、事象とそれに伴う動作を枝のラベルとして表すので、この「状態と事象の組で動作が決まる」構造をそのまま記述できる。網羅性を確かめたいときは状態遷移表を併用する。
出典:令和4年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22(IPA)
次の状態遷移図に従って動作する組込みシステムがある。最初の状態がS0の場合に、最後の状態がS4になるイベントの発生順序はどれか。ここで、白丸は状態、白丸内の文字…
正解:c→d→a→b→c
要点:自己遷移を除いて数えるとa→b→cでS0からS4へ到達する
初期状態S0では、イベントc・dはいずれも自己遷移なので状態は変わらない。続くaでS0からS1へ、bでS1からS3へ遷移し、最後のcでS3からS4へ移る。これによりc→d→a→b→cの順で最終状態がS4となる。他の順序では最終的にS3などにとどまる。
出典:令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(IPA)
表の状態遷移に従って動作する組込みシステムがある。最初の状態がS0の場合に、a→b→c→d→aの順序でイベントが発生すると、最後の状態がS4になる。表の(*)に…
正解:S3
要点:最後のaでS4になるには直前がS3である必要がある
最後のイベントaで状態がS4になるには、その直前の状態がS4へ遷移する状態、すなわち表からS3でなければならない。(*)にS3を入れて追うと、S0からaでS1、bで(*)=S3、cでS2、dで(*)=S3となり、最後のaでS4に到達して条件を満たす。他の状態名では最終状態がS4にならない。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの4 開発技術 > 1. システム要件定義・ソフトウェア要件定義 > (8) 業務分析や要件定義に用いられる手法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。