マルチコアとSMTとは?まるちこあとえすえむてぃー
マルチコアは単一ダイに複数の演算コアを実装して物理的に並列実行する方式、SMT(同時マルチスレッディング)は一つのコアの空いた実行ユニットに別スレッドの命令を流し込み、論理プロセッサを見かけ上増やす方式である。SMTが増やすのはスループットであって単一スレッドのレイテンシではないため、サイジングでは論理プロセッサ数ではなく物理コア数を基準に据える。並列化による高速化の上限はアムダールの法則が示すとおり逐次部分の比率で決まり、共有L3キャッシュやメモリ帯域の競合がそれをさらに削る。
最終更新:2026-10-06
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周波数向上は消費電力と発熱が壁になり、性能はコア数を増やす方向へ舵を切った。SMTの動機はそれとは別で、スーパースカラの実行ユニットはキャッシュミスや分岐予測ミスによるストールで空きが生じ、単一スレッドでは埋めきれない。そこで別スレッドの命令を同じコアに流し込み、遊んでいる実行資源を埋めてスループットを稼ぐ。つまりマルチコアは資源を増やす策、SMTは既存資源の利用率を上げる策であり、動機が違うぶん効き方も違う。試験では、論理プロセッサ数を性能とみなす誤りと、並列化の上限(アムダールの法則)が繰り返し問われる。
具体例
8コア/SMT2のサーバは論理16に見えるが、CPUバウンドなバッチの実測はおおむね物理8コア比で2〜3割増にとどまる。加えてOracle DatabaseやWindows Serverのようにコア数を課金単位とする製品では、契約更改時にSMTの有効・無効と課金コア数の関係を確認しておかないと見積が狂う。レイテンシがシビアな処理ではSMTを無効化して1コア1スレッドに固定する構成を取ることもある。
試験での引っ掛け
論理プロセッサ数をそのまま処理能力として見積もると過大評価になる。記述で問われるのは「なぜ比例して速くならないか」で、①逐次部分が残る(アムダールの法則)②SMTは実行資源を共有しているだけ③キャッシュとメモリ帯域の競合、の三点を挙げられるようにしておく。マルチコアとマルチプロセッサ(複数のパッケージ)の混同、SMTとタイムスライスによる時分割の混同にも注意。
関連用語
出た過去問
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問8(IPA)
スマートフォンなどで高い処理性能と低消費電力の両立のために、異なる目的に適した複数の種類のコアを搭載したプロセッサはどれか。
正解:ヘテロジニアスマルチコアプロセッサ
要点:ヘテロジニアスは異種コア混載で性能と省電力を両立
ヘテロジニアスマルチコアプロセッサは、性能重視のコアと省電力重視のコアなど、特性の異なる複数種類のコアを1チップに搭載する構成である。負荷の重い処理は高性能コア、軽い処理は低消費電力コアに割り当てることで、処理性能と電力効率を両立できる。スマートフォンのSoC(CPUなど主要部品を1チップにまとめたもの)で広く採用されている。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。