IPAとは?あいぴーえー
IPAとは、経済産業省所管の独立行政法人で、情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の実施、脆弱性関連情報の届出受付、ITシステムやセキュリティに関する調査・ガイドライン策定を担う。受験者にとっては試験の実施主体であると同時に、出題の根拠になる基準や白書の発行元でもある。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
ソフトウェアの脆弱性は、見つけた人と直した人と使っている人が別々にいるという構造を持つ。発見者が開発元へ直接連絡すると公表時期の交渉が個別対応になり、発見者自身も不正アクセスを疑われかねない。この調整を中立の立場で引き受ける公的な窓口が必要になり、届出の受付から公表までの流れが制度化された。応用情報では、この役割分担がどの組織のものかを問う形で出題される。
具体例
脆弱性を見つけた技術者はIPAの届出窓口へ届け出て、IPAが受理・内容確認を行い、JPCERT/CCが製品開発者との連絡と公表日程の調整を担い、結果がJVNで公開される。ほかに「情報セキュリティ10大脅威」「安全なウェブサイトの作り方」「DX白書」など、試験にそのまま出典として登場する資料もIPAが公表している。
試験での引っ掛け
JPCERT/CCとの役割の違いが問われる。届出を受け付ける窓口がIPA、開発者との調整を担うのがJPCERT/CCで、両者が共同運営する公表サイトがJVNである。またIPAは独立行政法人であり、内閣官房に置かれるNISCや、独立した行政委員会である個人情報保護委員会のような国の機関とは位置づけが異なる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問42(IPA)解説で登場
正解:標的型サイバー攻撃を受けた組織や個人から提供された情報を分析し、社会や産業に重大な被害を及ぼしかねない標的型サイバー攻撃の把握、被害の分析、対策の早期着手の支援を行う。
要点:J-CRATは標的型攻撃の被害分析と対策着手を支援する
J-CRAT(サイバーレスキュー隊)はIPAが運営する組織で、標的型サイバー攻撃を受けた組織や個人からの相談・情報提供を受けて分析し、被害の拡大や連鎖を防ぐための助言や支援を行う。攻撃の把握、被害分析、早期の対策着手の支援が役割である。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問39(IPA)
経済産業省とIPAが策定した“サイバーセキュリティ経営ガイドライン(Ver1.1)”の説明はどれか。
正解:企業がIT活用を推進していく中で,サイバー攻撃から企業を守る観点で経営者が認識すべき3原則と,情報セキュリティ対策を実施する上での責任者となる担当幹部に,経営者が指示すべき事項をまとめたもの
要点:サイバーセキュリティ経営ガイドラインは3原則と経営者の指示事項
サイバーセキュリティ経営ガイドラインは、経済産業省とIPAが経営者向けにまとめた文書である。サイバー攻撃から企業を守るうえで経営者が認識すべき3原則と、セキュリティ対策の実務責任者に対して経営者が指示すべき重要項目から構成される。経営課題としてセキュリティを扱う点が特徴である。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問40(IPA)解説で登場
サイバーレスキュー隊(J-CRAT)は、どの脅威による被害の低減と拡大防止を活動目的としているか。
正解:標的型サイバー攻撃
要点:J-CRATは標的型サイバー攻撃の被害低減と拡大防止を担う
サイバーレスキュー隊(J-CRAT)はIPAが運営する組織で、標的型サイバー攻撃を受けた(あるいはその疑いのある)組織からの相談を受け、被害の低減と攻撃の連鎖的な拡大の防止を目的に活動している。攻撃の起点となった組織から取引先などへ被害が広がるのを食い止める点が主眼である。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問38(IPA)解説で登場
ソフトウェア製品の脆弱性を第三者が発見し、その脆弱性をJPCERTコーディネーションセンターが製品開発者に通知した。その場合における製品開発者の対応のうち、“情…
正解:脆弱性情報の公表に関するスケジュールをJPCERTコーディネーションセンターと調整し、決定する。
要点:製品開発者は調整機関と脆弱性の公表時期を調整する
早期警戒パートナーシップでは、JPCERT/CCが調整機関として製品開発者と発見者の間に立ち、対策の準備状況を踏まえて公表時期を調整する。製品開発者は修正の見通しを共有しつつ、JPCERT/CCと公表スケジュールを決めるのが適切な対応である。JVNへの掲載や統計の公表は調整機関やIPAが行う役割である。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問41(IPA)
経済産業省とIPAが策定した“サイバーセキュリティ経営ガイドライン(Ver2.0)”の説明はどれか。
正解:企業がIT活用を推進していく中で、サイバー攻撃から企業を守る観点で経営者が認識すべき3原則と、サイバーセキュリティ対策を実施する上での責任者となる担当幹部に、経営者が指示すべき重要10項目をまとめたもの
要点:経営ガイドラインは3原則と重要10項目からなる経営者向け指針
サイバーセキュリティ経営ガイドラインは、経営者がサイバーセキュリティを経営課題として捉えるために策定されたもので、経営者が認識すべき3原則と、担当幹部(CISOなど)に指示すべき重要10項目から構成される。技術者向けの実装手引ではなく、経営層向けの指針である点が特徴である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。