契約形態(請負契約・準委任契約)・検収とは?けいやくけいたい(うけおいけいやく・じゅんいにんけいやく)・けんしゅう
請負契約は仕事の完成を約束し、完成しなければ原則報酬が生じない契約。準委任契約は業務の遂行そのものを目的とし、完成義務を負わず善管注意義務のもとで役務の対価を受け取る。検収は納品物が契約で定めた要件を満たすかを発注者が確認して正式に受け入れる手続きで、通常これをもって支払義務が確定する。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
取引の中身を口頭で決めていた時代は、どこまでできれば終わりなのか、直しの費用は誰が持つのかが最後まで曖昧で、揉めれば力関係で決まった。完成を約束する型と働くこと自体を約束する型を分け、受入れの合図として検収を置くことで、責任とリスクの所在を着手前に決められるようにしたのが契約形態の考え方である。2020年の民法改正では瑕疵担保責任が契約不適合責任に整理され、準委任にも成果完成型が明文化された。
具体例
IPAの「情報システム・モデル取引・契約書」は、要件が固まりにくい企画・要件定義を準委任、仕様が確定した設計以降を請負とする多段階契約を推奨している。ベンダの常駐保守やPMO支援は準委任、仕様を確定させたうえでの開発一式は請負にあたることが多い。
試験での引っ掛け
分かれ目は完成義務の有無。請負は完成義務と契約不適合責任を負い、準委任は完成義務がなく善管注意義務を負う。どちらの契約でも発注者が受注者の社員へ直接指揮命令はできず(すると偽装請負)、指揮命令できるのは労働者派遣契約だけという3者の切り分けが定番。検収は納品ではなく、発注者が要件充足を確認して受け入れる行為である。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
外部委託管理の監査に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
正解:請負契約においては,委託側の事務所で作業を行っている受託側要員のシステムへのアクセス管理が妥当かどうかを,委託側が監査できるように定める。
要点:委託先の管理状況を確認できる権利を契約で確保しておく
請負契約であっても、委託側の事務所で受託側要員が作業する場合、自社システムへのアクセスが適切に管理されているかを確認する必要がある。そのため契約時に委託側が監査できる旨を定めておくのが適切である。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問66(IPA)
"情報システム・モデル取引・契約書"によれば、要件定義工程を実施する際に、ユーザ企業がベンダと締結する契約の形態について適切なものはどれか。
正解:構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
要点:要件定義は成果物が未確定なので準委任契約が適する
要件定義工程は、これから作るシステムの機能を利用者と共に固めていく段階なので、着手時点では成果物の内容を具体的に確定できません。そのため、仕事の完成ではなく専門的な役務の提供を約束する準委任契約が適するとされています。仕様の決定権はあくまでユーザ側にあり、ステークホルダとの調整もユーザの責任範囲です。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問80(IPA)
発注者と受注者の間でソフトウェア開発における請負契約を締結した。ただし,発注者の事業所で作業を実施することになっている。この場合,指揮命令権と雇用契約に関して,…
正解:指揮命令権は発注者になく,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
要点:請負では指揮命令権は受注者にあり発注者との雇用契約も生じない
請負契約では、受注者は仕事の完成に責任を負い、作業者への指揮命令は受注者が行う。発注者に指揮命令権はない。また作業場所が発注者の事業所であっても、それだけで発注者と作業者の間に雇用関係が生じることはなく、新たな雇用契約は不要である。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問66(IPA)
ベンダX社に対して,表に示すように要件定義フェーズから運用テストフェーズまでを委託したい。X社との契約に当たって,“情報システム・モデル取引・契約書<第一版>”…
正解:a, d
要点:ユーザ主体の要件定義と運用テストは準委任型が適切とされる。
モデル取引・契約書では、成果物を完成させる責任が問える工程は請負型、ユーザ側の主体的な関与が不可欠で成果の完成を約束しにくい工程は準委任型とされる。要件定義はユーザが主体となって要求を固める工程、運用テストはユーザが自ら受入れの観点で確認する工程なので、いずれも準委任型が適切とされる。内部設計やシステム結合はベンダが成果物に責任をもつため請負型となる。
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問66(IPA)
システムを委託する側のユーザ企業と、受託する側のSI事業者との間で締結される契約形態のうち、レベニューシェア型契約はどれか。
正解:開発したシステムによって将来、ユーザ企業が獲得する売上や利益をSI事業者にも分配することを条件に、開発初期のSI事業者への委託金額を抑える。
要点:レベニューシェアは初期費用を抑え成果を分配する契約
レベニューシェア型契約は、開発したシステムが生む売上や利益を委託側と受託側で分け合う代わりに、開発時の委託金額を抑える契約形態である。受託側も事業リスクを負い、成果に応じて報酬を得る点が特徴である。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 3. 調達計画・実施 > (2) 調達の実施に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。