労働者派遣法・偽装請負とは?ろうどうしゃはけんほう・ぎそううけおい
労働者派遣法・偽装請負とは、派遣事業の適正な運営と派遣労働者の保護を目的とする法律。誰が労働者へ指揮命令できるかは契約類型ごとに決まっており、派遣先は直接指示できるのに対し、請負・準委任の注文者は受託会社の労働者へ直接指示してはならない。この線を越えた状態が偽装請負で、判定は契約書の名称ではなく現場の実態で行われる。
最終更新:2026-10-06
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誰が指揮命令するかは、労働時間の管理や安全配慮、社会保険の負担といった使用者としての義務がどちらに乗るかを決める。契約の名称を請負に付け替えるだけで義務だけ外せてしまうなら、保護の枠組みは意味を失う。だから法は形式ではなく実態を見るという立て付けを取り、指揮命令の所在を判断の中心に置いた。応用情報では、現場の指示の出し方から契約形態の適否を判断させる形で出題される。
具体例
システム保守を準委任で委託しているのに、発注者の担当者が受託会社の作業者へ日々の作業内容や勤務時間を直接指示していれば、偽装請負として法違反を問われるおそれがある。適正に運用するなら、発注者は受託会社の責任者へ要望を伝え、作業者への指示はその責任者が出す。派遣として受け入れるなら、派遣契約を結び、抵触日や二重派遣の禁止といった規制に従う。
試験での引っ掛け
契約書の題名が請負や準委任であることは適法性の根拠にならず、指揮命令の実態で判定される点が問われる。請負と準委任の区別も別問題で、仕事の完成を約すのが請負、事務の処理を約すのが準委任である。また受託会社の労働者を発注者がさらに他社へ回す二重派遣は、派遣契約であっても禁止されている。
関連用語
出た過去問
出典:令和2年度 10月試験 応用情報技術者試験 午前 問80(IPA)
A社はB社に対して業務システムの開発を委託し、A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から、偽装請負とされる事象はどれか。
正解:B社の従業員が、A社を作業場所として、A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
要点:請負なのに委託側が受託側社員へ指揮命令すると偽装請負
請負契約では、受託側の従業員に対する指揮命令は受託側(B社)が行わなければならない。B社の従業員がA社の責任者から直接指揮命令を受けて作業していると、実態は労働者派遣であり、請負契約を装った偽装請負となる。作業場所が委託側であること自体は問題にならない。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)
A社はB社に対して業務システムの設計、開発を委託し、A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から、偽装請負とされる事象はどれか。
正解:B社の従業員が、A社を作業場所として、A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
要点:偽装請負の判断は指揮命令をどちらが行うかで決まる
請負契約では、受託者が自らの責任で業務を完成させ、作業者への指揮命令も受託者側が行う。委託元の責任者が受託者の従業員へ直接指示を出すと、契約は請負でも実態は労働者派遣にあたり、偽装請負となる。作業場所が委託元であること自体は問題ではなく、指揮命令の系統が誰にあるかが判断の分かれ目になる。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)
労働者派遣法において、派遣元事業主の講ずべき措置等として定められているものはどれか。
正解:労働者の教育訓練の機会の確保など、福祉の増進
要点:教育訓練や福祉の増進は派遣元、台帳や責任者は派遣先の義務
労働者派遣法は、派遣元事業主に対して、派遣労働者の教育訓練の機会の確保をはじめとする福祉の増進を図ることを求めている。一方、派遣先管理台帳の作成や派遣先責任者の選任、指揮命令者への派遣契約内容の周知は、いずれも派遣先が講ずべき措置である。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)
大規模なシステム開発を受注したA社では、不足する開発要員を派遣事業者であるB社からの労働者派遣によって補うことにした。A社の行為のうち、労働者派遣法に照らして適…
正解:システム開発が長期間となることが予想されるので、開発要員の派遣期間を3年とする契約を結ぶ。
要点:派遣は期間上限3年、事前選考や性別指定は禁止される
労働者派遣法では、同一の派遣先の事業所における派遣可能期間は原則3年が上限とされている。したがって3年の契約を結ぶこと自体は法に反しない。一方、派遣先が事前に履歴書の提出を求めたり面接で選別したりする特定行為、性別や年齢を指定する差別的な要求、苦情処理を派遣元任せにすることは、いずれも禁止または不適切である。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 1. システム監査 > (9) 情報システムに関係する監査関連法規に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。