刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)とは?
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)とは、刑法に置かれたコンピュータ関連の犯罪類型。正当な理由なくマルウェアを作成・提供・供用・取得・保管する不正指令電磁的記録に関する罪のほか、電子計算機損壊等業務妨害罪、電子計算機使用詐欺罪、電磁的記録不正作出罪などが定められている。
情報セキュリティマネジメント試験の過去問では6回出題されています(2016年度〜2026年度)。
けいほうのさいばーはんざいかんれんきてい
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)の意味
刑法に置かれたコンピュータ関連の犯罪類型。正当な理由なくマルウェアを作成・提供・供用・取得・保管する不正指令電磁的記録に関する罪のほか、電子計算機損壊等業務妨害罪、電子計算機使用詐欺罪、電磁的記録不正作出罪などが定められている。
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)の具体例
業務システムのデータを暗号化して停止させたランサムウェアの事案では、感染させた行為が電子計算機損壊等業務妨害罪に、検体を無断で配布した行為が不正指令電磁的記録提供罪に当たり得る。オンラインバンキングの残高データを不正に書き換えて利益を得れば、対人の詐欺ではなく電子計算機使用詐欺罪になる。研究目的の検体保管でも管理体制が問われる。
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)は試験でどう引っ掛けられる?
「正当な理由がないのに」が要件であるため、防御研究や解析業務での取扱いが直ちに犯罪となるわけではない。バグのあるプログラムを公開しただけでも、意図に反する動作をさせる目的が無ければ該当しない。逆に「実害が出て初めて犯罪」でもなく、その目的での作成・保管は感染させていなくても成立しうる。要点は行為の性質から法律を選び分けることで、他人のIDでのログインは不正アクセス禁止法、データの改ざんや業務妨害は刑法、DoSによる停止は電子計算機損壊等業務妨害罪の領域になる。
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)と関連する用語
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)が出た過去問
刑法の電子計算機使用詐欺罪が適用される違法行為はどれか。
正解:インターネットを経由して銀行のシステムに虚偽の情報を与え、不正な振込や送金をさせる。
要点:機械に虚偽情報を与えて利益を得るのが電子計算機使用詐欺
電子計算機使用詐欺罪は、コンピュータに虚偽の情報や不正な指令を与えて財産権の得喪・変更に係る不実の電磁的記録を作り、財産上不法の利益を得る行為を処罰する規定である。銀行システムに虚偽の情報を与えて不正な振込や送金をさせる行為はまさにこれに当たる。人をだます通常の詐欺罪と異なり、だます相手が機械である点が本罪の要点である。
出典:平成28年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問32(IPA)刑法における“電子計算機損壊等業務妨害”に該当する行為はどれか。
正解:企業が運営するWebサイトに接続し、Webページを改ざんした。
要点:データ改ざんで業務を妨げるのが電子計算機損壊等業務妨害
電子計算機損壊等業務妨害罪は、コンピュータやそこで使うデータを壊す・改変するなどして、本来の使用目的に沿う動作をさせず業務を妨害する行為を処罰する。Webページの改ざんはデータを不正に書き換えて運営業務を妨げるため、これに当たる。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問33(IPA)記憶媒体を介して,企業で使用されているコンピュータにマルウェアを侵入させ,そのコンピュータの記憶内容を消去した者を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:マルウェアによる破壊行為は刑法で処罰される
マルウェアを侵入させてデータを消去する行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録毀棄などの規定で処罰の対象となる。不正アクセス禁止法はネットワーク経由で識別符号を悪用するなどしてアクセス制御を突破する行為を対象とするため、記憶媒体を直接使った今回の手口には当てはまらない。
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問32(IPA)企業において業務で使用されているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者がいたとき、その者を処罰の対象とする法…
正解:刑法
要点:媒体経由のマルウェアによるデータ消去は刑法で処罰される
記憶媒体経由でマルウェアを侵入させてデータを消去する行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録不正作出・毀棄などの規定で処罰の対象となる。不正アクセス禁止法はネットワーク経由で他人の識別符号等を使ってアクセス制御を突破する行為を対象とするため、本問の事例には当たらない。
出典:令和1年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問31(IPA)企業が業務で使用しているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:マルウェアによるデータ消去は刑法で処罰される
マルウェアを侵入させてデータを消去し、業務を妨げる行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録不正作出・毀棄などの規定で処罰される。またマルウェアの作成・提供・取得自体も刑法の不正指令電磁的記録に関する罪の対象である。不正アクセス禁止法は他人のIDでネットワーク経由の不正ログインを規制する法律で、記憶媒体経由の本件には当たらない。
出典:令和4年度 s 情報セキュリティマネジメント試験 kamokuAB 問32(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。