請負契約とは?うけおいけいやく
請負契約とは、頼まれた仕事を完成させることを約束し、完成した成果に対して報酬が支払われる契約。システム開発を外部の会社に頼むときによく使われる。受けた会社は完成に責任を負い、自社の社員への作業の指示も自分で行う。発注した側は、受けた会社の社員に直接指示を出すことはできない。業務を行うこと自体を約束し、完成までは約束しないのが準委任契約。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
システム開発を口約束で進めると「動かないから払わない」「言われたとおり作ったから払え」という争いになりやすい。そこで民法は、仕事の完成に責任を負う型(請負)と、注意深く業務を行うことに責任を負う型(委任・準委任)を分け、どちらの契約を結んだかで責任の範囲が決まるようにした。
具体例
IPAが公開している「情報システム・モデル取引・契約書」は、何を作るかを決める要件定義の工程は準委任契約、作る内容が固まった設計以降の工程は請負契約、と工程ごとに契約を分けることを勧めている。また請負で作らせたプログラムの著作権は、契約で決めておかないと、原則として実際に作った受注側に残る。
試験での引っ掛け
3つの契約の切り分けが定番。完成の責任があるのは請負契約、ないのは準委任契約。そして、相手の社員に直接作業を指示できるのは労働者派遣契約だけ。請負なのに発注側が受注側の社員に直接指示を出すと偽装請負となり、労働者派遣法に触れるおそれがある。「発注側が委託先の社員の作業を直接管理する」という選択肢は誤り。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問52(IPA)解説で登場
システム開発を外部に委託する場合に行う管理方法として、適切なものはどれか。
正解:一括請負の場合は、成果物を納入するまでの過程については、すべて委託先の責任とリスクで作業を実施するので、発注元が委託先の従業員に直接指示は出さない。
要点:請負先の従業員へ直接指示を出すと偽装請負になる
請負契約では、受託側が仕事の完成に責任を負い、自社の従業員への指揮命令も受託側が行う。発注元が委託先の従業員へ直接指示を出すと、契約の実態が労働者派遣とみなされ(いわゆる偽装請負)、法令上の問題となる。発注元は成果物や進捗の確認を通じて管理するのが正しい。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問51(IPA)
ソフトウェア開発を請負契約で外部委託するときに、発注側が行わなければならないことはどれか。
正解:成果物一覧や納期の提示
要点:請負では発注側は成果物と納期を示し、作業指揮はしない
請負契約は仕事の完成を目的とする契約なので、発注側は「何を、いつまでに納めてもらうか」、すなわち成果物の一覧と納期を明示する必要がある。一方、作業のやり方や要員の配置は受注側が自ら決めるものであり、発注側が作業者の指名や作業指揮に踏み込むと偽装請負とみなされるおそれがある。契約前の作業着手指示も避けるべきである。
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問28(IPA)
別段の取決めがない請負契約の場合、民法に基づき、当事者である注文者又は請負人に課せられている義務のうち、適切なものはどれか。
正解:請負人は、請け負った仕事を完成させる。
要点:請負契約における請負人の中心的な義務は仕事の完成
請負契約は、請負人が仕事を完成させることを約し、注文者がその結果に対して報酬を支払う契約である。したがって請負人の中心的な義務は仕事の完成であり、成果物が完成しなければ原則として報酬を請求できない。作業に従事すること自体を目的とする準委任契約との違いがここにある。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問30(IPA)
民法では,請負契約における注文者と請負人の義務が定められている。記述a〜cのうち,民法上の請負人の義務となるものだけを全て挙げたものはどれか。 a 請け負った仕…
正解:a, b
要点:請負人の義務は仕事の完成と契約不適合への責任
請負契約は仕事の完成を目的とする契約であり、請負人は約束した仕事を完成させる義務を負う。また完成した目的物が契約の内容に適合しない場合には、期間の制限の下で修補や損害賠償などの責任を負う。一方、請負では原則として下請けへの再委託が禁じられていないため、すべてを自ら行う義務はない。よってaとbが請負人の義務にあたる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。