偽装請負とは?
偽装請負とは、契約上は請負や業務委託の形をとりながら、実態としては発注者が受託者の労働者へ直接指揮命令を行っている状態。労働者派遣に該当するため、派遣の許可を得ずに行えば違法となる。発注者・受注者の双方が是正指導や罰則の対象になりうる。
ITパスポートの過去問では6回出題されています(2009年度〜2025年度)。
ぎそううけおい
偽装請負の意味
契約上は請負や業務委託の形をとりながら、実態としては発注者が受託者の労働者へ直接指揮命令を行っている状態。労働者派遣に該当するため、派遣の許可を得ずに行えば違法となる。発注者・受注者の双方が是正指導や罰則の対象になりうる。
偽装請負の具体例
常駐する委託先技術者に、発注者の課長が日々の作業順序や残業を直接指示し、勤怠も発注者が管理している状態が典型。適法にするには、指示は受託側の責任者を通し、業務の完成に対して対価を支払う形へ運用を改める必要がある。
偽装請負は試験でどう引っ掛けられる?
「常駐しているから違法」ではなく、判断基準は指揮命令と労務管理を誰が行っているか。準委任契約でも同じ問題が起きうる。また契約書の名称を請負にすれば回避できるという理解が、まさに引っ掛けの中心になる。
偽装請負と関連する用語
偽装請負が出た過去問
システム開発を外部に委託する場合に行う管理方法として、適切なものはどれか。
正解:一括請負の場合は、成果物を納入するまでの過程については、すべて委託先の責任とリスクで作業を実施するので、発注元が委託先の従業員に直接指示は出さない。
要点:請負先の従業員へ直接指示を出すと偽装請負になる
請負契約では、受託側が仕事の完成に責任を負い、自社の従業員への指揮命令も受託側が行う。発注元が委託先の従業員へ直接指示を出すと、契約の実態が労働者派遣とみなされ(いわゆる偽装請負)、法令上の問題となる。発注元は成果物や進捗の確認を通じて管理するのが正しい。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問52(IPA)ソフトウェア開発を請負契約で外部委託するときに、発注側が行わなければならないことはどれか。
正解:成果物一覧や納期の提示
要点:請負では発注側は成果物と納期を示し、作業指揮はしない
請負契約は仕事の完成を目的とする契約なので、発注側は「何を、いつまでに納めてもらうか」、すなわち成果物の一覧と納期を明示する必要がある。一方、作業のやり方や要員の配置は受注側が自ら決めるものであり、発注側が作業者の指名や作業指揮に踏み込むと偽装請負とみなされるおそれがある。契約前の作業着手指示も避けるべきである。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問51(IPA)X社の要員をA社に駐在させ、A社のプロジェクトリーダの指示の下でヘルプデスク業務を行っている。このときA社がX社と取り交わす契約書として適切なものはどれか。
正解:労働者派遣契約書
要点:指揮命令が発注者側にあるなら請負ではなく労働者派遣契約
要員が発注側の事業所に常駐し、発注側のリーダーの指揮命令を受けて作業する形態は、労働者派遣に該当する。請負では仕事の完成が目的で指揮命令は受注側が行うため、発注側が直接指示を出すと偽装請負になる。したがってA社とX社の間で結ぶべきは労働者派遣契約である。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験 問9(IPA)請負契約によるシステム開発作業において,法律で禁止されている行為はどれか。
正解:請負元が,請負先の社員を請負元に常駐させ,直接作業指示を出している。
要点:請負で注文者が直接指示すると偽装請負になる
請負契約では、注文者と請負業者の社員との間に指揮命令関係は生じない。注文者が請負業者の社員へ直接業務指示を出すと、実態が労働者派遣となり、労働者派遣法上の許可を得ない違法な労働者供給(偽装請負)にあたる。作業場所や進捗報告の取決め自体は当事者の合意で行える。
出典:平成27年度 秋期 ITパスポート試験 問3(IPA)情報システム開発の詳細設計が終了し、プログラミングを外部のベンダに委託することにした。仕様、成果物及び作業の範囲を明確に定義した上で、プログラミングを委託先に請…
正解:委託先に定期的な進捗報告を求めるとともに、完成したプログラムの品質を確認する。
要点:請負では発注元は成果物を管理し、直接指揮はできない
請負契約では、受託側が仕事の完成に対して責任を負い、作業の進め方や要員の配置は受託側が自ら決める。発注元は受託側の従業員に直接指揮命令できず、行うべきは成果物と進捗の管理である。したがって、定期的な進捗報告を受け、納品されたプログラムの品質を確認する活動が適切となる。要員交代の指示、出退勤の管理、担当者への直接指示はいずれも指揮命令に当たり、偽装請負とみなされるおそれがある。
出典:令和2年度 10月 ITパスポート試験 問42(IPA)
最終更新:2026-08-25/解説は資格暗記が独自に作成しています。 過去問の出典は各問題に記載のとおりです。