保守性とは?ほしゅせい
保守性とは、ソフトウェアの品質を測るものさしの1つで、「あとから直しやすいか」を表す性質。作ったあとに法律や制度が変わったり、業務のやり方が変わったりして手を入れる場面は必ず来るので、最初に安く作れたかより、直し続けられるかのほうが長い目では費用に効く。国際的な基準(JIS X 25010)では、品質を機能・性能・使いやすさ・信頼性・安全性など複数の面から見ることになっており、保守性はその1つ。利用者から見て使いやすいかを表す「使用性」とは別で、保守性が見ているのは直す人にとっての扱いやすさである。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
ソフトウェアは作って納めれば終わりではなく、法律や税率が変わり、業務のやり方が変わるたびに必ず手が入る。費用も、実際には作るときより使い続ける間にかかるほうが大きい。ところが「安く早く作れたか」だけで評価すると、後から直しにくい作りが選ばれ、数年後の改修で何倍もの費用がかかることになる。そこで品質を測るものさしの中に「直しやすさ」を独立の項目として立て、作る前に要求として言葉にできるようにした。これが保守性である。
具体例
イオンのような小売のレジシステムでは、消費税率の変更や軽減税率の追加のたびに計算が変わる。税率をプログラムの中に直接書いていると全店分のプログラムを作り直すことになるが、税率を設定として外に出しておけば、値を書き換えるだけで済む。この「変わる可能性がある値を、後から差し替えられる場所に置いておく」設計が、保守性を高める代表的なやり方になる。
試験での引っ掛け
保守性と使用性の取り違えが定番。使いやすさ・分かりやすさは利用者から見た「使用性」で、保守性は直す側から見た性質。また「保守性が高い=保守の担当者が多い」「保守契約を結んでいる」ではなく、あくまで作られたソフトウェアそのものの性質を指す。運用体制の話にすり替えた選択肢は誤り。テクノロジ系の足切りに関わる分野なので、品質のものさしの名前(機能適合性・性能効率性・使用性・信頼性・保守性・移植性など)と、それぞれが誰から見た性質なのかを組にして覚えておく。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問43(IPA)
変数の命名規則やコメントの書き方など、プログラムの標準的な記述方式を定める目的として、適切なものはどれか。
正解:ソフトウェアコードの保守性を向上させること
要点:コーディング標準の目的はコードの保守性向上
コーディング標準を定めて命名やコメントの書き方をそろえると、誰が書いたコードでも読み方が同じになり、他の担当者が理解・修正しやすくなる。開発時の品質のばらつきを抑えるとともに、長期にわたる修正や機能追加、すなわち保守性の向上が主な目的である。
出典:平成26年度 春期 ITパスポート試験 問32(IPA)解説で登場
次の記述a〜dのうち、システム利用者にとって使いやすい画面を設計するために考慮するものだけを全て挙げたものはどれか。 a 障害が発生したときの修復時間 b 操作…
正解:b, c, d
要点:画面設計では操作の覚えやすさ・配置・可読性を考える
使いやすい画面の設計、すなわちユーザビリティの検討では、迷わず操作を覚えられるか、ボタンなどの部品が押しやすい位置にあるか、文字の大きさや配色が読みやすいかといった、利用者が見て触れる部分が焦点になる。障害発生時の修復時間は可用性や保守性に関わる指標であり、画面設計の観点とは別である。したがってb・c・dの組合せが該当する。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。