トランザクションとは?とらんざくしょん
トランザクションとは、データベースに対する、業務上ひとまとまりで成り立つべき一連の処理の単位。全部を確定させる(コミット)か、途中で失敗したら全部を処理前に戻す(ロールバック)かのどちらかにして、半端な状態を残さない。DBMS(データベース管理システム)はこの単位で、同時に動く処理どうしの排他制御(同じデータを同時に書き換えさせない制御)と、障害からの回復を行う。満たすべき性質は原子性・一貫性・隔離性(独立性)・耐久性の4つで、まとめてACID特性という。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
振込なら「Aの口座から引く」と「Bの口座に足す」の2つの更新が要る。片方だけ終わったところで障害が起きると、お金が消えたり増えたりする。複数の更新を1つのかたまりとして扱い、全部成功か全部取消しかに揃える考え方が必要になった。
具体例
ネット通販で注文を確定すると、「在庫を1つ減らす」「注文を記録する」「ポイントを減らす」が1つのトランザクションとして処理される。途中で通信が切れてポイントだけ減ったまま、という状態は残らず、ロールバックで3つとも注文前に戻る。障害で記憶装置が壊れたときは、バックアップに更新後ログ(ジャーナル)を順に当てて最新に戻す(ロールフォワード)。
試験での引っ掛け
障害回復の向きの取り違えが定番。ロールバックは更新前ログで処理の開始時点へ戻す(トランザクションの異常終了向け)、ロールフォワードは更新後ログで障害の直前まで進める(媒体障害向け)(fe-2022s-kamokuA-46)。また、科目Aで「トランザクション処理」と出たら、対話型処理・バッチ処理と並ぶ処理形態の話のこともあり、DBのトランザクションの性質とは問われ方が違う。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問57(IPA)解説で登場
ディスク障害時に、フルバックアップを取得してあるテープからディスクにデータを復元した後、フルバックアップ取得時以降の更新後コピーをログから反映させてデータベース…
正解:ロールフォワード
要点:ロールフォワードは更新後ログで先へ進めて回復する
ロールフォワードは、バックアップから復元した時点以降の更新後ログを順に適用し、障害直前の状態まで進める回復方法である。媒体障害からの回復で用いられる。これに対しロールバックは、更新前ログを使ってトランザクションの開始時点まで戻す方法で、処理途中の異常終了に対応する。進めるか戻すかで区別する。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問30(IPA)
トランザクションTはチェックポイント取得後に完了したが,その後にシステム障害が発生した。トランザクションTの更新内容をその終了直後の状態にするために用いられる復…
正解:ロールフォワード
要点:完了済みはロールフォワード、未完了はロールバックで回復
チェックポイント後に正常終了したトランザクションは、障害時点で更新結果が磁気ディスクに書き出されていない可能性がある。この場合はログの更新後情報(アフタイメージ)を使って更新を再現し、終了直後の状態まで進める。これがロールフォワードである。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問28(IPA)
トランザクションが,データベースに対する更新処理を完全に行うか,全く処理しなかったかのように取り消すか,のどちらかの結果になることを保証する特性はどれか。
正解:原子性(atomicity)
要点:原子性は全部実行か全く未実行かのどちらかを保証する
トランザクションに求められる4つの性質のうち、処理を全て行うか全く行わなかった状態に戻すかのどちらかにする性質を原子性という。それ以上分割できない一つの塊として扱うという意味で、途中まで更新された中途半端な状態を残さないことを保証する。障害時にはロールバックによって開始前の状態へ戻すことでこの性質が守られる。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問30(IPA)
DBMSにおいて,複数のトランザクション処理プログラムが同一データベースを同時に更新する場合,論理的な矛盾を生じさせないために用いる技法はどれか。
正解:排他制御
要点:同時更新の矛盾はロックによる排他制御で防ぐ
複数のトランザクションが同じデータを同時に更新すると、一方の更新がもう一方に上書きされるなどの矛盾が生じる。これを防ぐため、更新中のデータに施錠して他からの操作を待たせる仕組みが排他制御である。ロックの粒度や共有ロック・専有ロックの使い分けによって、矛盾を防ぎつつ並行性をなるべく損なわないよう調整する。
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問29(IPA)
RDBMSの機能によって実現されるトランザクションの性質はどれか。
正解:ACID特性
要点:トランザクションの4性質はACID(原子性・一貫性・隔離性・耐久性)
トランザクションが備えるべき性質は、原子性(Atomicity)、一貫性(Consistency)、隔離性(Isolation)、耐久性(Durability)の4つで、頭文字を取ってACID特性と呼ばれる。DBMSはコミット・ロールバック、排他制御、ログによる回復といった機能でこれらを実現している。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。